志摩観光ホテル 高橋忠之 海の幸スペシャリテ
志摩の海の幸の恩恵を受け“自己流”で研鑚されたシェフのスペシャリテの数々が紹介…“<火を通しても新鮮、形を変えても自然>これこそ料理の真髄” という高橋忠之シェフの哲学と共に、“海への愛情、自然への感謝”が伝わってくる1册です.:*・゜
中央公論社 「シェフ・シリーズ」は、1981年に創刊、1999年に77号を以って終了した1号完結のムック本シリーズです。
創刊当時は日本のフランス料理 “黎明期”、本国フランスでも ヌーヴェル・キュイジーヌが評価を得て、新しいフランス料理の息吹が拡まっていた時代…本場の技術に憧れ、フランスへ渡った料理人たちが修業を経て帰国、日本でフランス料理店が続々とオープンし始めていました。
そんな中、次々と刊行されたこちらのシリーズのなんと煌びやかなこと.:*・゜
今ではフランス料理界の重鎮として知られる名店と錚々たるグランシェフの名がシリーズを彩っています。また、それぞれのシェフのテーマを凝縮したタイトルも とても洒落ていますし、たっぷり大きな写真で愉しめる美しいお料理のビジュアル、お料理に添えられたシェフのひとことや 修業時代の想い出・フランス料理やお店に懸ける思いなど、内容もとても充実しています。
また、このシリーズは副題に “専門家の味をあなたの食卓に”とあり、プロの味を一般家庭に紹介するという趣旨で編まれていてもちろんルセットも掲載!
ただ、ルセットは充分再現可能ですが、巻末に紹介されている号が多く やや簡略ですので、家庭で愉しむというよりは、錚々たるグランシェフたちの作品集といった趣きの方が強い印象のシリーズです。
それぞれの料理人たちが大切にしているポリシーやルセットだけでなく、グランシェフたちの若かりし頃の夢や憧れもいっぱい詰まっています。
途中、今では望めない贅沢が享受されていた バブルの時代もありました。
いろいろな意味で二度と同じ時はやってこない、眩しいほどキラキラした時代の“記録”としても、大変貴重なシリーズかと思います.:*・゜
なお、こちらのシリーズでラインナップされているジャンルは、フランス料理(フランス菓子)がメインですが、 イタリア料理(イタリアン・ドルチェ)、スペイン料理、他、ウィーン菓子の号もございます♪
どうぞご堪能ください.:*・゜
どんなジャンルであれ、黎明期は興奮期です。「健康によい料理が注目されているんです」「いやいやオーソドックスこそ本流」。誰もが興奮し、技術を持ち帰った者は知らせたい気持ち、行かぬ者は知りたい気持ちで満ちていました。 加えて、これまで技術一辺倒であった世界に、料理に哲学があることをも持ち帰ってくださったことは、画期的な収穫であったと思います。この時期を境に、伝統と格式でかためられていたフランス料理界に風穴があき、作り手の個性に満ちたしなやかな料理が次々に発表されることとなりました。その様は、満々と水をたたえた川が機を得て流れ出るよう、怠らず手入れを施した花園で ここぞとばかりに薔薇の花が開き始めるよう、その勢いは足音がドスンドスンと聞こえてくるような止めることができない巨大な動きでした。
創刊~15号と別册『野菜図鑑』の編集を担当されたフードジャーナリストの大本幸子さんが、「料理王国 155号」に寄せられた「その時、料理界に [シェフ・シリーズ] という名の風が吹いた」という文章より
志摩の海の幸の恩恵を受け“自己流”で研鑚されたシェフのスペシャリテの数々が紹介…“<火を通しても新鮮、形を変えても自然>これこそ料理の真髄” という高橋忠之シェフの哲学と共に、“海への愛情、自然への感謝”が伝わってくる1册です.:*・゜
バブルで“グルメブーム”に沸く東京を後にされ、1986年、岩手・安比高原に移住…長らく伝説の料理人として知られていた春田光治さんが、ご家庭でも充分に再現可能な家庭料理をメインに、プロヴァンス地方のお料理を中心とした「南仏料理」を紹介.:*・゜
坂井宏行さんが、後の料理を楽しむ舌の感覚を損なわない軽さ、かつ、複雑で繊細で華やかな味わいのオードヴルを紹介…素晴らしい器や、レースやアンティークが鏤められた優雅で上品なスタイリングで愉しめる、盛り付けも素晴らしい1册.:*・゜
フランスの各地方で生まれ、その地の人々に愛され続けている数々のお料理が地方ごとにまとめられて紹介…必要に応じて応用やコツ、ポイントなどが添えられたルセット、各地方の紹介文も読み応えがあり、シェフの品格とご見識が感じられる1册.:*・゜
伊はアブルッツィ地方・オトウーナ生まれのルイジ・フィダンザーさんの「シェフ・シリーズ」…ご家庭でも充分に再現可能な家庭料理が多いのが嬉しく、日本のイタリア料理黎明期の様子や本場イタリアの料理事情が伝わってくるシェフのお話も愉しいです!
お店のお料理は後半にまとめられ、前半のメインでは、修業先リヨンのホストファミリーの暮らしぶりと家庭料理が紹介!夫人とそのお母様・母娘二世代に教えてもらったお料理は 質素だけれど創意工夫に満ち、経済的で栄養たっぷり♪温かな読み心地.*・゜
北岡尚信さんが、ご家庭でも再現可能な家庭料理をメインに、ビストロを意識したカジュアルなルセットを紹介、付け合わせとして楽しむじゃがいも料理のコーナーも充実している他、スペシャリテが堪能できる「ムニュ・デギュスタシオン」のコーナーも!
「リリエンベルグ」横溝春雄さんが、本格的なウィーン菓子とそのアレンジレシピを紹介…「ザッハートルテ」など伝統のウィーン菓子、チョコレート菓子、クッキーとビスケット、りんごのおやつ etc..重厚で華やかなお菓子の写真もとても美しい1册です.:*・゜
パエーリャやアロス、スペインオムレツ、にんにくスープ、地方の料理、タパスやお菓子 etc... レシピには、お料理の来歴や地方色・地方の特産品、本場で味わった際の旅の思い出などが添えられていて、大充実の読み物と併せ、学ぶことの多い読み応え !
ジョゼ・アリミさんは、南仏はニースのご出身…来日後、日本の素材に向き合い、きざみ方を変え、加熱時間を変え、本来の味わいに近づける努力をされたそうで、そんなシェフの試行錯誤のお料理と、遊び心溢れる趣向を凝らしたコーナーが愉しめる1册!
高橋徳男さんが、アピシウス時代に上梓…これこそグランメゾンの所以と思わずため息が出るような並々ならぬシェフの情熱が、美しいルセットの数々と共に堪能できます.:*・゜「三つ星家庭料理を考える」として ご家庭でも再現可能なお料理のコーナーも♪
「カフェエイト」さん *著
『VEGE BOOK 3』から…ゴールデンデリシャスと赤ワインのジェラートを作ってみました♪