食と暮らしの古本屋 eclipse plus

まるで兄妹のようにとても仲よしのカイとゲルダ、でもある日突然、カイが遊びに出掛けたまま戻らなくなります。雪の女王のそりに乗って冷たい宮殿に連れ去られてしまったのです！
心配のあまり、カイの行方を追うゲルダ、無事にカイに再会できるのでしょうか…！

ハンス・Ｃ・アンデルセン氏による名作『雪の女王』をもとに、アメリカの作家ナオミ・ルイスさんが再話…新たに紡ぎだされたお話です。

原作にある、悪魔の作った鏡のかけらがカイの心臓と眼に入り、性格が一変してから連れ去られてしまう下りが、こちらのお話には出てこないのが大きな違いですが、大きな流れは原作通りです。

印象的なシーンはいくつもありますが、ゲルダが歌うイエス様と子どもたちの歌がカイにかけられた呪いを溶き、氷のかけらたちまでもがふたりと一緒に喜びあって、カイを自由にする“永遠”という文字を描くところは圧巻.:*・゜

また、ゲルダの純粋で優しい温かな心に呼応するかのように、行く先々で用意されている助け、そして、試練さえも温かな助けに変えてしまうゲルダのひたむきさに、心が温かくなるような読み心地です♪

エロール・ル・カインさんによるイラストも美しく、素晴らしくお話に合っています.:*・゜
どうぞご堪能ください.:*・゜

サンタさんとトナカイが初めて旅にでた夜は、空はきれいで、人の数は少なく、考え方も好き嫌いも簡単で、生活だって平和でちっともせかせかしていなくって、“いまにくらべると、ほんのちょっとのことで、まんぞくし、幸福というものを、とってもだいじにしていた”…

人口の増加、飛行機や人工衛星、強盗、テロリスト、戦争..... 西暦１年のクリスマスとは比べものにならないくらい、年々、複雑になっていく世界に対応するため、四苦八苦するサンタさんと小人たちの苦労が、サンタさんのぼやきというユニークな視点から綴られた絵本です。

サンタさんの目から世界を見ると、今の世の中はおかしなことばかり！
“とめどもなく変化をもとめるにんげんの、よくばりな心”と関係があるのではと、サンタさんはいみじくも推測しています。

“わしのつとめは、あたたかい心をくばること”…そう言い切るサンタさんから、“ほんとうのクリスマスとは、どうあるべきか”を教えてもらえるような１册です.:*・゜

クラシカルで幻想的でありながら、ユーモアも湛えたエロール・ル・カインさんのイラストと共に、どうぞご堪能ください.:*・゜