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グリム童話など、これまで読み継がれてきた20の物語を新たな構成で捉え直した西村書店発行の「ワンス・アポンナ・タイム・シリーズ」。こちらの本は20册中、2册含まれている写真絵本のうちの1册です。
ただいま流通中です >2018年4月現在
H・C・アンデルセン *原作
M・イムサンド * R・マーシャル *写真*構成
小杉佐恵子 *訳
西村書店
1988初版・1989.2刷 / 22×16 / 32p
ハードカバー
[ 商品番号 N゜kf8-13 ]
主人公は、小さなかわいいモミの木。すばらしい森で育つモミの木は、今居るところの幸せより、もっと素敵な未来の幸せに思いを馳せがちな夢想家さん。
また、コウノトリやスズメの話してくれる、モミの木というものが辿るらしい 素晴らしい話は、さらに小さなモミの木の夢を膨らませていきます。
そしてある日、モミの木は、願っていたとおり切り倒され、森から旅立ち、クリスマスを迎える家へと運ばれるのですが…。
かのボードレール氏が嘆いたように ‘今’に酔えない、今の幸せより、もっと先の未来に待ち受けているだろう幸せをつい想って、なかなか その時々の幸せに気付かない モミの木のお話を、ちょっぴり哀しみと教訓を込めて、でも楽しく聞かせてくれるこの本は、今現在の幸せを幸せとして実感し 感謝するということを積み重ねていける人が、ほんとうに幸せな人だという、普段 心に留めておきたい大切なことを、改めて教えてくれる素敵な1册.:*・゜
また、語り口がとても素晴らしくて(訳もとても良いです♪)、少し子どもには難しい内容かもしれないけれど、その語り口の良さで、ついてきてくれるんじゃないかと思えるほど!
あと、特筆すべきは、文章と一緒に楽しめる写真の素晴らしさ.:*・゜
なんと小さなモミの木は、実際の木ではなく小さな男の子が演じていて、この子がまた可愛らしいのですが、人間が演じることによって、実際のモミの木を写すだけでは出せない微妙な表情を伝えることに成功しています。
写真がモノクロームというところも、ラストに一抹の哀しみが漂うモミの木の一生を伝えるのにぴったりで、カラーでは出すことのできない 静かな情感を湛えています.:*・゜
どちらかと言えば大人の方向けの本ですが、子どもにも、例え分からなくても子どものうちにぜひ通り過ぎてもらいたい真実のようなものを最高の形で顕わすことができているという点からも、ぜひお薦めしたい1册です。
どうぞご堪能ください.:*・゜
グリム童話など、これまで読み継がれてきた20の物語を新たな構成で捉え直した西村書店発行の「ワンス・アポンナ・タイム・シリーズ」。こちらの本は20册中、2册含まれている写真絵本のうちの1册です。
ただいま流通中です >2018年4月現在
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