いのちをいつくしむ新家庭料理 さ、めしあがれ
辰巳芳子 *著
若山嘉代子 * 若山美樹 * L'espace *ブックデザイン
マガジンハウス
2003.3 初版 / 25.5×19.5 / 143p
ソフトカバー
[ 商品番号 N゜s3-1-3 ]
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料理研究家の辰巳芳子さんが、毎日の繰り返しである“家庭料理”を重荷とせず、“優しい心”を以って台所に立つ為に大切なことを 惜しみなく盛りだくさんで説いてくれた充実の1册です♪
お料理は、和風のおそうざい、イタリアや 南フランスのお料理が中心で、辰巳さんが “愛のとりで”とおっしゃる「スープ」を筆頭に、「野菜 / 魚 / 肉」、「基本の味」 とカテゴリー分けされ、もちろん レシピもたくさん 紹介されているのですが、通常のレシピ本とは 一線を画し、エッセイ集のようにも愉しめる 充実の読みごたえ!
食材の特性や扱い方、自然に適った下ごしらえや処方の意味、展開や他の食材を用いたバリエーション、日本の気候風土を鑑みた食文化の考察、古き良き日本の食卓のお話、栄養のお話、美味しく食卓に供するための気遣いのヒント etc... 為になるお話満載で、何度も何度も読み返して頭に覚え込ませたい、何度も何度もつくってみて実感し体得したい!そんな思いに駆られます。
基本から応用まで 幅広く、一度にまとめて 出汁をひいたり、いろいろ使いまわせるストックをつくって いろんなお料理に展開したりと、合理的な台所仕事についても学べるので、初めて手に取るお料理本がこの本という方は幸せだなと思う一方、長くお料理に携わってらっしゃる ベテランさんでも、たくさんの気づきに出逢われることと想います♪
紹介されているお料理 「スープ」と「野菜 / 魚 / 肉」は下記でご紹介していきますね。
あと、「基本の味」では、「鰹節・昆布」として、一番だしの引き方 (二杯酢/三杯酢のつくり方もあり、お浸し三種*小松菜*わかめ*菜の花*のレシピも♪)、「胡麻」として、 茄子の泥亀漬け、きゅうりの胡麻酢和え、黒胡麻御飯のレシピ、「味噌」として、茄子の焼き味噌のレシピ、 他、調味料のお話や梅仕事のお話も愉しめます。
どうぞご堪能ください.:*・゜
- スープ
- 基本のスープ
- 鶏のスープ
- スペアリブスープ
- 煮干しのだし
- 一番だし
- スープいろいろ
- 地鶏の水炊き
- スプリット・ピーのスープ
- きゅうりと油揚げの葛仕立て
- 茄子と大麦のポタージュ
- ガリシア風隠元豆のスープ
- スペアリブと蓮根団子の味噌仕立て
- 揚げ出し豆腐の味噌汁
- 鱈とじゃが芋のブイヤベース
- おじや風大麦スープ
- カリフラワーのポタージュ
- ポタージュ・ボン・ファム
- ポタージュ・クレソネル
- ポルトガル風人参スープ
- ミネストローネ
- 汁かけ飯
- 寄せ鍋
- 雑煮二種(清汁仕立て / 白味噌仕立て)
- 究極のスープ
- 玄米のスープ
- 干し椎茸のスープ
- ビーフ・コンソメ
- 野菜コンソメ
- 野菜
- 筍
- 筍ご飯のドリア
- 筍のグラタン(ベシャメル・ソースの基本も詳しいです♪)
- 春の新野菜
- キャベツ
- トマト
- サルサ・トマテとその展開(アボリータの玉子 etc...)
- 茄子
- 茄子のシシリア風
- 茄子カレー / 小豆のスパイシーライス
- じゃが芋
- じゃが芋とふだん草のスペイン風煮込み
- サラダニソワーズ
- 栗
- 里芋
- 人参
- 人参の梅干し煮
- 人参の酒炒り
- ロビュションさんの人参フォンダント
- 魚
- いさき
- 穴子
- 太刀魚 / 秋刀魚 / 鰯
- 鯖
- 鯖の棒鮓(ぼうずし)(丁寧な工程写真付き♪)
- 〆鯖の焼き物
- 鰯
- 肉
- 三枚肉
- 豚挽き肉
- ポルぺッティ・アラ・ボロネーゼ(茹でたミートローフ(丁寧な工程写真付き*温製と冷製のお料理への展開も♪)
- 鶏肉
- 鶏レバー
- 鶏挽き肉
The key to the treasure is the treasure
台所仕事は 自分の人生と他の人生を全く受容しなければ、終生重荷となる作業です。
半端なものではありません。もし逃れ難く感じたならば――
生命の仕組みに「食」はおかしがたく組み込まれていることを、気を鎮めて考えましょう。そして何時かは、自分の生命でさえ、自分のものであって、自分のものではないこと、仕えてゆく生命であることを、悟っていただけたらと思います。
そのときはじめて、あらがう自我から解き放たれ、優しい心となって、火の前、水の前に立てるのです。
情報過多は、家庭料理の気後れを招いているかもしれません。 案ずることはないのです。 食卓の原点は、炉端です。 穀類と豆と汁ものを大切に扱いましょう。何よりの肝要はいそいそした「さ、めしあがれ」の笑顔。「いただきます」と手を合わせて箸をとる感謝と畏敬の念です。
「さ、めしあがれ」「いただきます」。私達は世界に類のない深意にみちた表現で食事を潔めてはいただいています。心より感動いたしましょう。
Information
雑誌「クロワッサン」の1998年6・25号~2001年6・10号までの連載から抜粋され、加筆修正後、再編集された御本です。
出版社品切れ または絶版 となっています >2018年3月現在