星のひとみ

星のひとみ

ザカリアス・トペリウス *作
おのちよ *絵
万沢まき *訳
アリス館
1992 初版・1999.改訂版1刷 / 21×25 / 40p
ハードカバー
[ 商品番号 N゜kf8-22 ]

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“フィンランドのアンデルセン” とも呼ばれているという トペリウス氏による教訓的でありながら果てしなく美しいお話に、おのちよさんが挿し絵を寄せた、素晴らしくきれいで贅沢な絵本です。

クリスマス前夜のこと、ラップランドのふかい雪の中に、小さな赤んぼうが横たわっていました。 トナカイのひく橇に 両親と乗っていたのですが、オオカミに追われ逃げる最中、振り落とされてしまったのです。

赤んぼうは雪の中で、ただ星をながめていました。すると、星たちがかわいそうに思ったためか … “星が 子どもをながめ、子どもが 星を みつめているうちに、星の光が 子どもの ひとみの中に”宿ったのです。
ちょうどこのとき、フィンランド人の農夫が子どもを見つけ、拾い上げました。農夫とその妻は喜んで、その女の子を育てることにし洗礼を受けさせますが、洗礼の際に牧師さんが呼んだ「星のひとみ」という名前が広まり、女の子は近所の人達から「星のひとみ」と呼ばれることになります ― 女の子のひとみは、星のように美しく輝いていたので。
けれど、女の子のひとみは ただ輝くだけではなく、不思議な力を持っていました。目の中に 誰も逆らうことのできない力を、そして、人の心を見抜く力を持っていたのです。農夫の妻はそんな子どもの力が恐くて、ある日、周りにそそのかされ「星のひとみ」を山の中、ふかい雪の中に置き去りにしてしまいます。
…「星のひとみ」はどうなってしまうのでしょうか?

お話のラストも 美しい余韻を残しますが、水彩や色鉛筆、グアッシュ、クレヨンなどいろいろな画材を用い、様々な技法で描かれたおのちよさんの絵が、とにかくもう素晴らしいです。
挿し絵全体がもう素晴らしいのですが、特に各ページ、額縁のように意匠を凝らして描かれているページの周りの装飾イラストがまた、お話の展開に合わせて挿し絵と共に変化していて、お話への感情移入を助け、目を楽しませてくれています。
また、挿し絵は全体的に装飾的で美しくありながらも、表現の幅、そして伝える力がとても強く、お話の成りゆきと共に心に迫ってくるよう.:*・゜

挿し絵画家が日本人とは思えないほど、北欧の‘雰囲気’までもを伝えている この力強く きれいで美しい絵本は、「星のひとみ」のひとみの様に、本棚の中でもとりわけ特別な輝きを放つ1册となっています.:*・゜

Information

出版社品切れ または絶版 となっています >2018年4月現在

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