食と暮らしの古本屋 eclipse plus

絵本を描きながら４人のお子さんを育て、バーモント州に広大な“地上の楽園”を創造…絵本のみならず、昔ながらの心豊かな暮らしぶりや素晴らしいガーデニングにもファンの多い ターシャ・テューダーさんの手仕事の数々を紹介してくれた1册。

“水彩は自然の光の中でなければだめなの”と常々おっしゃっていたというターシャさん… 陽が沈むと筆を置き、日々用いる実用的なものはもちろん、家族や友人たちの楽しみとなるようなあらゆるものを、その手で創り上げることに無上の喜びを感じてらっしゃったことが伝わってきます.:*・゜

紹介されているのは…
「木と土のぬくもり」として、かご編み、（ターシャさんの手仕事ではありませんが、お家を建てた時のお話や、気に入ってらっしゃった植木鉢や食器など焼き物のお話も♪）、
「植物の美しい力」として、花のリース、ハーブや植物を用いた化粧品、亜麻から麻糸を紡ぎ染色してから織った布、
「動物たちの仕事」として、バターチャーンで作る型押しバターや さまざまなチーズ、羊毛から紡いだ毛糸、石けん作りや蜜ろうを使ったろうそく作り、
「台所のにぎわい」として、野菜や果物で作った保存食、薪ストーブや暖炉・ブリキのオーブンで作るパンやお菓子・お料理（パン作りでは、材料の小麦から栽培されたこともあったとか！）、りんごジュース作り、
「糸から布へ」として、毛糸の染色と機織りを用いた織物、
「針を持つ時間」として、キルトや編み物、つくろい物、洋服作り、
「おとぎの国のターシャ」として、お子さんたちと楽しみ その後ライフワークともなった人形劇用のマリオネット、お子さんたちとの数々の遊びを生み出したドールハウスとそこに暮らすお人形一式、動物のぬいぐるみ etc... !

紹介してくれているのは、ターシャさんのお友達の園芸家 トーバ・マーティンさんで、お友達だからこそ知っているターシャさんのお茶目な一面が垣間見えるのも嬉しいところ♪
知恵と遊び心に溢れた ターシャさんのお人柄が伝わってきて、ターシャさんの本を眺めていると、「楽しいことをするのではなく、することを楽しみなさい」という格言が思い出されます。

また、もちろんそれぞれの手仕事に用いる道具たちも 18世紀以前のアンティークなので、その佇まいがとても素敵.:*・゜

文章も充実ですが、手仕事の作品の写真も大充実で、ターシャさんがコレクションしてらっしゃったアンティークドレスをまとった美しい女の子の写真や、お家の中やお庭の写真 etc...　写真集のようにも楽しめる豪華な1册。
また、この本のために新たに描かれたという挿し絵も優しいタッチでページを彩っていて、心和みます。
どうぞご堪能ください.:*・゜