食と暮らしの古本屋 eclipse plus

しずかなよるに　ふうわり おっとり
しろいゆき　あかるいゆき　なめらかに　ふかく
かろやかなゆき　よるのゆき　ねむったように　しずか
ふってくる　ふってくる　おともなく
ふってくる　ふってくる　こおれる　ちじょうに

作者のアルビン・トレッセルトさんが、冬の夜、雪のニューヨークを歩いている時に浮かんだという一遍の詩（上記は前後略してご紹介しています）をはじまりに掲げ、冬の情景が描かれた美しい絵本です。

郵便屋さん、お百姓さん、おまわりさんとその奥さん、子どもたち、うさぎたち…みんな、雪が降るのを予感して、雪に備えます。
そんなことを知ってか知らずか、雪は、誰も見ていないときに、最初のひとひらを落とし、“そっとささやきながら”降り積もっていきます。

グレーと白を基調にしたページが、しんしんと降る雪におおわれた夜の静けさを感じさせてくれる一方で、人々の営みを表すものは、赤や黄色の暖色で描かれ、生きていることの温かさが感じられるよう.:*・゜
また、ロジャー・デュボアザンさんのおおらかでぽってりした曲線も温かで、眺めていると穏やかな気持ちになります♪

雪が見せてくれるさまざまに美しい表情、また、自然と共に生きる暮らしの営みが淡々と、でも温かく描かれていて、眺めていると、優しい気持ちになれる１册.:*・゜春の訪れの喜びが描かれたラストも素敵です♪

選び抜かれた言葉で情感を添えてくれる江國香織さんの訳もぴったり.：*・゜
どうぞご堪能ください.:*・゜