食と暮らしの古本屋 eclipse plus

まずはじめに じめんをかく
つぎには そらをかく
それから おひさまと ほしと つきをかく
そうして うみをかく
うみへながれこむ かわと かわのはじまる やまをかく
もりをかく
もりにすむ しかをかく
しかのはしる のはらをかく
のはらにさく はなをかく
はなにあつまる あぶをかく
あぶをたべる つばめをかく
つばめをつかまえる たかをかく
かぜをかく
くもをかく
くもの かげをかく
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こんなふうに始まり、続いていく谷川俊太郎さんの詩を、長新太さんが絵に描き出した絵本です。

一本の線から、森羅万象の豊かな自然が拡がり、時間さえも縦横無尽に越えて、世界が描き出されます。

そして、子どもが描かれ、火、食事、母、時計、死、哀しみ、縁日、荒れ果てた田んぼ、おばあさん... と、人生までもが描き出されて.:*・゜

目に見えないたくさんのプランクトン、いろんな雨、ゆうべの夢、かわいた涙など、絵にするのが難しいことばだって、長新太さんの“はなれわざ”で、絵になっているのがすごい！！

また、どんどん続いていくことばをどんどん描き出していくので、ごちゃごちゃになりそうなところですが、絵のレイアウトといいますか、余白の残り方が絶妙で、白い紙に描いていることの美しさが際立っています.:*・゜

裏表紙が真っ白なところも、谷川俊太郎さんの詩のエッセンスが感じられて、本を閉じた時の余韻が素晴らしいです！

絵を描くって楽しいよ、ということも、もちろん素敵に伝えてくれる絵本ですが、それ以上に言葉にできないようなしみじみとした感動をくれる１冊となっていますよ♪
どうぞご堪能ください.:*・゜