月刊絵本 / 季刊絵本
雑誌「月刊絵本」は、絵本に関する研究誌で、1973年5月に創刊され1979年7月号まで発行、その後、2年間の休刊を経て月刊が季刊に変わり復刊されていたようです。
とても読みごたえのある真摯な雑誌で、国内外の絵本作家や作品の紹介・評論・分析を中心に、“新しいメディア”としての絵本の可能性をさまざまに興味深い角度から考察しています。
また、絵本研究誌というジャンル故、執筆者も幅広く、評論家、絵本作家、出版関係者(編集者)はもちろんのこと、現場での幼児教育に日々関わっている保育者の方や、図書館・文庫関係者、絵本愛好家の方など、多岐に渡っています。読者の声も重視され、絵本講座や手づくり絵本の紹介などにも力を入れているところ、また、編集に、絵本の現役の創り手の方達がブレーンとして大きく関わっているというところも特徴でしょうか!
時には緊迫した批判・反論・抗議などもあったりして、ちょっとびっくりしますが、絵本とは‘子どもが楽しむ子どもの為のもの’という概念にしばられず、さまざまな意見・考え・思いをまとまった形で読むことのできるこの雑誌は、当時としてはかなり画期的かつ刺激的なものだったのではないかと想いますし、今読んでもとても自由で新鮮です!
当時の息吹きを感じながら、どうぞご活用、また、お愉しみください.:*・゜
月刊絵本 イラストレーターと子どもの出会い
盛光社 / 通巻7号
昭和48年11月初版 / 21×15 / 144p
ソフトカバー
- イラストレーターと子どもとの出会い
- 子ども忘れ、果たして子ども忘れか 中川正文
- 子どもとの出会い 瀬川康男
- 「子ども忘れ」讃 長谷川佳哉
- 子どもとの出会い 井上洋介
- 昨日、今日、明日 岡田純也
- 初山滋の“子どもばなれ”について 司修
- 子どもとの出会い 宇野亜喜良
- Infantilismus Aquiracis 川路重之
- 滝平二郎論・子どもとの出会いに捉われずに 位藤邦生
- (しばしば‘子ども忘れ’といわれがちなイラストレーターによる絵本づくりへの姿勢について論じられています。)
- りんごころりんをめぐって
- ふたたび『りんごころりん』の製作者として 小西正保
- 「りんごころりん」について 宮川やすえ
- “翻訳者のための翻訳絵本”ではない 杉山朝男
- (本誌創刊号に掲載された翻訳絵本『りんごころりん』を巡る一連の批判に対する反論。)
- しおかぜ号と団地の子どもたち 長谷川知子/片瀬典子
- 絵本作家評伝 ブルーノ・ムナリ論 瀬田貞二
- (ちょっと厚めの紙で挿まれている「まるごと絵本紹介」ではブルーノ・ムナリ*作『たんじょうびのおくりもの』が紹介されています)
- もんく・たらたら にいざかかずお
- 絵本私論 絵本についてひとこと 征矢清
- 絵本鑑賞 『わたしのワンピース』 森久保仙太郎
- 只今準備中 儀間比呂志、司修、内田莉莎子
- 仕置する 交通絵本 田島征三
- 体験的絵本論 「すべては子どもの力に」 早川実
- 鼎談 絵本をめぐる諸問題 小野木学、寺村輝夫、矢野有
- もうひとつの世界 瀬川康男、井上洋介、初山滋、宇野亜喜良
- きりえの出発点 『紅楼夢』 滝平二郎
- 他、連載 etc...♪
月刊絵本 あかちゃん絵本
すばる書房盛光社 / 通巻17号
昭和49年10月初版 / 26×18 / 68p
ソフトカバー
- あかちゃん絵本
- 「母なるもの」としての絵本 毛利子来
- 赤ちゃんにとっての絵本の役割とその現状 阿部明子
- わたしの作った赤ちゃん絵本 松谷みよ子、わかやまけん、せなけいこ
- 園からのレポート・保育の中でのあかちゃん絵本
- 絵本のある保育室 中村千代
- 一歳児のクラスを訪ねて 菊地美恵子
- 乳児にも絵本を 中沢利枝
- わが家の赤ちゃん絵本
- 大橋歩、舟崎克彦、大友康男、いまきみち、岩村和朗、中島信子
- あかちゃん絵本リスト
- 世界の動物えほん
- MYえほん 得がたい絵本 萩原葉子
- 私が選ぶ一冊の絵本
- 『ジョゼフのにわ』 白川星紀
- 『ちいさいおうち』 藤原厚子
- 他、連載 etc...♪
月刊絵本 いわさきちひろ追悼
すばる書房盛光社 / 通巻18号
昭和49年11月初版 / 26×18 / 76p
ソフトカバー
- いわさきちひろ追悼
- 座談会 いわさきちひろの世界 武市八十雄、稲庭桂子、久米宏一
- 童心抒情の死 松永伍一
- 「待つ」発想―岩崎ちひろの絵本・雑感― 上野瞭
- 岩崎ちひろ小論『ひさの星』『こどものしあわせ画集』など 小西正保
- 弔辞 久保雅勇、箕田源二郎
- <思い出>ちひろさんのこと 松谷みよ子、岡林茂生、古田文恵、渡辺泰子
- 母、いわさきちひろの絵本芸術 松本猛
- いわさきちひろの絵本 海外書評
- いわさきちひろの歩み
- いわさきちひろ 絵本リスト
- MYえほん MY・まよい 矢川澄子
- 私が選ぶ一冊の絵本
- 『まっくろネリノ』 細谷建治
- 『おばけのバーバパパ』 岩村雪子
- 他、連載 etc...♪
月刊絵本 ちびくろさんぼ
すばる書房盛光社 / 通巻19号
昭和49年12月初版 / 26×18 / 68p
ソフトカバー
- ちびくろさんぼ
- 「ちびくろさんぼ」をどう見るか
- コピーとオリジナル 新村徹
- 遠い国のおとぎばなしではない 島式子
- バンナーマンおばさんの本 上野瞭
- 駄作・凡作・“傑作” 岩波版『ちびくろ・さんぼ』1論 奥田継夫
- 「ちびくろ・さんぼ」で考えること 宅間英夫
- おやすみなさい「ちびくろ・さんぼ」 灰谷健次郎
- 『ちびくろ・さんぼ』に思うこと 三宅興子
- ひとりの少年を傷つけるとしたら 田島征三
- 「ちびくろさんぼ」をどう見るか アン・ヘリングさんにきく
- LITTLE BLACK SERIES
- ハーレムッ子
- ヘレン・バンナーマン夫人のオリジナル版について、同じくバンナーマン夫人による白人の女の子を主人公にしたお話『Little White Squibba』との比較、岩波版『ちびくろ・さんぼ』についてなどさまざまな角度から問題を掘り下げ分析、充実の特集となっています(また巻頭カラー口絵では「LITTLE BLACK SERIES」や「Little White Squibba」のオリジナル版が紹介されています)
- 「ちびくろさんぼ」をどう見るか
- MYえほん 絵本の魅惑は… 天沢退二郎
- 私が選ぶ一冊の絵本
- 『せかいいちおおきなうち』 矢野有
- 『くまちゃんのいちにち』 佐藤涼子
- 他、連載 etc...♪
月刊絵本 絵巻の世界
すばる書房盛光社 / 通巻20号
昭和50年1月初版 / 21×15 / 66p
ソフトカバー
- 絵巻の世界
- 源氏物語絵巻、信貴山縁起、伴大納言絵詞
- 鳥獣戯画
- 絵巻の世界 秋山光和氏にきく
- 絵巻と絵本 むしゃこうじ・みのる
- 絵巻の鑑賞 絵本と照らして 上野憲示
- 瀬川康男さんと絵巻展みてある記
- 江戸時代のおもちゃ絵豆絵巻 アン・ヘリング
- 手づくりの絵本をたずねて 山小屋の絵本 国松としひで
- MYえほん 銀河鉄道の絵本
- 私が選ぶ一冊の絵本 「えびのクリクター」 井上優子
- 他、連載 etc...♪
月刊絵本 世界の絵本 海外の絵本作家訪問
すばる書房盛光社 / 通巻21号
昭和50年2月初版 / 26×18 / 76p
ソフトカバー
- 世界の絵本
- 海外の絵本作家訪問
- アーディゾーニおじさんを訪ねて さくまゆみこ
- アーノルド・ローベル会見記 ニューヨークにて なかえよしを
- キーピングとの対話 原昌
- 金色まつ毛のオルセンさんと やさしいライオンさん 杉山純子
- 私の訳した絵本
- 律義な口上 瀬田貞二
- 「ピーター・ラビットの絵本」を訳して 石井桃子
- 心底ほれこんだ絵本 内田莉莎子
- 年末雑感 ブリュノフからシュレーダーまで 矢川澄子
- ヨーロッパの旅より フランクフルト国際書籍見本市をみて 沢野公
- アメリカの絵本の窓 カルデコット賞を中心に 島式子
- 海外に訳された日本の絵本
- 至光社の場合 武市八十雄
- 「ただいま海外で好評中」…? アン・ヘリング
- わたしのえほんCOLLECTION 武市八十雄
- 海外の絵本作家訪問
- MYえほん 春の日の少女の夢「ミュリエル」 小野耕世
- 他、連載 etc...♪
月刊絵本 絵本づくり <ことば>
すばる書房盛光社 / 通巻22号
昭和50年3月初版 / 26×18 / 68p
ソフトカバー
- 絵本づくり<ことば>
- 絵本のなかの文章 吉田足日
- 絵本の絵と言葉 森久保仙太郎
- 対談 絵本とことばと…… 谷川俊太郎 VS.矢川澄子
- 絵本とことば
- 「うさぎのへや」の場合 岩村和朗
- 「よあけのうみ」の場合 にいざわかずお
- 「かいぶつになっちゃった」の場合 木村泰子
- 74年絵本ベスト5アンケート
- 「とぶ発想」=あるいは絵本を考える前の道草 上野瞭
- わたしのえほんCOLLECTION 内外の絵本あれこれ 瀬田貞二
- またまたオバケ論 「絵本のオバケ」をよんで 瀬名恵子
- MYえほん 16才の絵日記 小野千世
- 他、連載 etc...♪
月刊絵本 保育のなかの絵本
すばる書房盛光社 / 通巻23号
昭和50年4月初版 / 26×18 / 68p
ソフトカバー
- 保育のなかの絵本
- 幼児にとって絵本のはたす役割 いぬい・たかし
- (発達心理学者、言語学者である母親たちがお子さんを記録した本を紹介し考察)
- 保育のなかの絵本 園からのレポート
- 私の園の絵本カリキュラム 柏幼稚園 吉田れい
- 絵本と子どもたち 新所沢幼稚園 今美佐子
- 大きなくすの木の下で 平塚幼稚園
- 座談会 月刊保育絵本をめぐって―現状と問題点
- 砂田弘、佐々木周、吉田律子、市村久子
- 絵本よみきかせのポイント 松岡享子さんにきく
- 現在出版されている月刊保育絵本
- 幼児にとって絵本のはたす役割 いぬい・たかし
- わたしのえほんCOLLECTION 「コドモノクニ」より 鳥越信氏
- イギリスの子どもの本 のぞきめがね 河野裕子
- MYえほん わが友、サンタ 永島慎二
- またまたオバケ論・瀬名恵子くんに 続・絵本のオバケ 永島慎二
- 他、連載 etc...♪
月刊絵本 創作絵本新人賞発表
すばる書房 / 通巻24号
昭和50年5月初版 / 21×15 / 68p
ソフトカバー
- 創作絵本新人賞発表
- 第二回創作絵本新人賞発表
- 優秀賞作品紹介
- 選評
- 絵本賞のあとで思うこと 今江祥智
- 「はじらい」と「さびしさ」の世界を 田島征三
- 手づくり絵本のこと 古田足日
- 絵本の“丘陵地帯”にいる人々へ 若山憲
- 選考会ノートより
- 新人登場 宮本忠夫 作品
- 特別賞「しりもちぺったん」より
- 創作絵本新人賞 佳作より
- アトリエ対談 井上洋介 vs.田島征三
- MYえほん カナダの小学校の教科書 白石かずこ
- 他、連載 etc...♪
月刊絵本 滝平二郎 きりえの世界
すばる書房 / 通巻25号
昭和50年6月初版 / 21×15 / 65p
ソフトカバー
- 滝平二郎 きりえの世界
- 滝平切り絵 斎藤隆介
- 滝平二郎の切絵に見る風俗 加太こうじ
- 郷愁の世界 長谷川佳哉
- 剪紙ときりえ 駒田信二
- 六百万読者に支えられた滝平きりえ 田結荘哲治
- 異人館時代の滝平さん 村田哲朗
- “きりえ”という世界 関屋敏隆
- 私のきりえ技法 滝平二郎
- 滝平二郎 略歴と作品リスト
- MYえほん 『こねこのぴっち』 山崎朋子
- ロンドン通信 クリスチャーナ・ブランドさん さくまゆみこ
- 第3回絵本の学校東京セミナー卒業制作誌上展
- レポート 第3回黒姫絵本の学校
- 他、連載 etc...♪