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出版社品切れ または絶版 となっています >2018年4月現在
アリス・B・トクラス *著
フランシス・ローズ *挿絵
谷川俊太郎 *序文
玉村豊男 *装画
木村裕治 * 本多悦子 *装丁
高橋雄一郎 * 金関いな *訳
集英社
1998.12 初版 / 20.5×16 / 256p
ハードカバー
[ 商品番号 N゜sf10-9 ]
言語と事物の関係を捉え直した実験的な作風で、モダニスト文学の先駆者として文学史に名を遺し、また、セザンヌやピカソなどの作品をいち早く評価したコレクターとしても知られるガートルード・スタイン女史… こちらは、そんな彼女の終生の恋人で、秘書もしていたアリス・B・トクラスさんが、女史の死後、2人の思い出を料理を中心に綴ったエッセイ&レシピ集です。
2人は、いずれもアメリカからフランスに渡った“パリのアメリカ人”として、1907年、日曜日のパリで出逢い、スタイン女史が亡くなるまで40年を共に過ごしたそうで、2度の世界大戦に挟まれた激動の時代を共に生きました。
アリスさんは、スタイン女史と暮らし始める前は、お料理をしたことがなかったそうで、真剣に料理に取り組み始めたのは占領下の食糧難と配給制の時代だったと綴っていますが、そんな風にはとても思えないほど、アリスさんのレシピは本格的!
ピカソのためにつくったお料理やフランシス・ピカビアに教えてもらったお料理、フランスのお宅でご馳走になったお料理の数々、愛車を走らせ病院に物資を運ぶボランティアや小旅行に出掛けた際に出逢った思い出のお料理、一九三四年と一九三五年に講演旅行をしたアメリカ合衆国での食事、1929年より14年間、夏の家として過ごした「ビリニャンの菜園」で採れたてのお野菜を使って腕を振るったお料理、他、食糧難の時代、自ら食材を絞めるようになったことをユーモラスに綴った「キッチンの殺人」など、情熱を以って書きとめられた魅惑のレシピと思い出話が、次から次へ記憶が押し寄せるように綴られています。
アメリカ人から見たフランス料理の伝統やフランス人気質、戦争が当時の食卓に及ぼした影響なども伺え、貴重な証言としても興味深い大充実の読み応えなのですが、これでも邦訳の際、3分の1程度がカットされているそうで、原本の濃密さを想うと、くらくらしてしまいます!
また、カットされた中には、1950年代に物議を醸すことになる「ハシシ・ファッジ」も含まれていて、その経緯とそのレシピは、あとがきに詳しいです。
当時の人々を狂わせたアブサンの色でしょうか、はたまた、アリスさんの楽園だったビリニャンの菜園がイメージされているのでしょうか、緑色のインクで印刷されているところも、いろいろな連想を誘います.:*・゜
欄外には注が添えられ、それがまたとても詳しいのも嬉しいところ♪
下記で、紹介されているお料理をほんの一例ですがご紹介していきますね。
どうぞご堪能ください.:*・゜
出版社品切れ または絶版 となっています >2018年4月現在
「カフェエイト」さん *著
『VEGE BOOK 3』から…ゴールデンデリシャスと赤ワインのジェラートを作ってみました♪