食と暮らしの古本屋 eclipse plus

“マドモアゼルいくこって何者？ケーキの先生？それともフランス人？”

いえいえ、マドモアゼルいくこさんは、大学（美大）在学中からご結婚までのほんのひと時の間だけ、お菓子（料理）研究家としてご活躍された方！
最初の御本（1978年初版）の序文には、“ただの、ケーキ作りが好きで好きでたまらない日本人の女の子、ケーキを焼いていさえすれば幸せな女の子、そして私のケーキであなたもきっと幸せにできると信じている女の子です”と自己紹介されています。

そして実際に、マドモアゼルいくこさんのケーキでお菓子作りの幸せを知った女の子はいっぱいいっぱいいたようで、絶版となり幻となっていたマドモアゼルいくこさんの秘密のレシピシリーズは、「復刊ドットコム」に寄せられた熱い期待に応える形で2002年より続々と復刊！ファンの願いが叶えられました♪

マドモアゼルいくこさんの御本は、心弾むような読み心地です♪
ケーキやお料理の出来上がりの写真は一切なく、全ていくこさんによる手書きのイラストで紹介されていて、かわいらしい動物たちが ちょこまかと登場して、表情豊かに美味しさを伝えてくれます。
70年代後半～80年代前半の時代独特のファンシーな雰囲気と共に、いかにも思春期の女の子チックな文章、ケーキやお料理に寄せた自作のポエム(歌) etc... 全てが楽しげでうきうきしていて！
お菓子作りやお料理を愉しまれている様子、ご家族やお友達に美味しそうに食べてもらえた時の嬉しさが、ルンルンと伝わってきます♪

レシピは、アイデアたっぷり！
“太らない”“ダイエット”…本を飾るこんなキャッチコピーは、出版社の意向だったのでしょうか。いくこさんによると、“材料の風味を生かすように作っていたら自然に甘味が少なくなった”とのこと…果物がふんだんに使われていたり、ヨーグルトや寒天が多用されていたり、アーモンドプードルやリキュールやはちみつで風味を出したり♪いろいろと工夫されています。
また、特にお料理は、実家で暮らす女の子独特の、‘お母さんが作りそうもない’ 変わったものを作りたがる習性が垣間見えるアイデアがいっぱいで 面白いレシピがいっぱい（ ! ）。
難易度はいろいろですが、小学生でも作ることができる易しいレシピから、本格的なおもてなしにもぴったりのレシピまで♪
レシピ数の多さ、お菓子やお料理のユニークな名前にもご注目くださいね。

少女の頃、いくこさんのレシピに夢中だった方も…
復刊で初めていくこさんの御本に出逢われた方も…
そして、少しお料理が嫌になってしまっている方にもぜひ♪
眺めていると、楽しい気持ちが伝染してきて、早速お台所に立ちたくなるような読み心地のシリーズです！

なお、マドモアゼルいくこさんが、ご結婚されていとういくこさんになられてから、共著で上梓されたクリスマスのお料理本もご紹介しています（いくこさんはお菓子を担当されています♪写真付きです！）

どうぞ併せて、ご堪能ください.:*・゜