乙女の港

乙女の港

川端康成 *著
中原淳一 *挿画*装幀
国書刊行会
昭和60年5月初版 / 26×19 / 211p
ハードカバー
[ 商品番号 N゜kf7-11-c2 ]

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sister の頭文字をとって “エス”…特別な年上の友人を ‘お姉さま’として慕う女学校独特の乙女文化をモチーフに、川端康成氏×中原淳一さんという 豪華なコンビから贈られた少女小説の第一作です。

舞台は、横浜のミッション・スクール…
思いがけず2人の上級生から愛され、気持ちが揺れ動く三千子…(“エス”は独りしか持ってはいけないのです)。

少女小説というと、可愛らしい新鮮な言葉や、少女心をくすぐるように描かれている甘ったれな チビちゃんたちの活躍、それからもちろん可憐な乙女たちの暮らしの様子 etc... 楽しみどころは多々ありますが、この小説はさすがに川端康成氏の筆というべきでしょうか、主人公・三千子の心揺れる様が丹念に描き込まれた、一種、心理小説とでも呼びたい力作!

なお、こちらは 昭和21年に 「ひまわり社」より刊行の同名本を原本とし、雑誌「少女の友」連載時の挿画を 贅沢に収録…その判型も小説というより 画集に近い趣きで、落ち着いた色あいの装幀もとても素敵です。

中原淳一さんによる、けぶるように繊細なタッチで描かれたペン画が映えるモスグリーンのページの地に至るまで、美しい余韻を残す小説にふさわしい造りとなっています.:*・゜

Information

「淳一文庫」版は、出版社品切れ または絶版 となっています >2018年4月現在

2009年に、実業之日本社より、昭和13年刊の中原淳一さん装丁による単行本の完全復刻版(旧かな版)と、『少女の友』連載時の中原淳一さんの挿絵を全点収録した新編集版(新かな版)の2册がセットで函に収められた豪華版が上梓されています。

2011年に、実業之日本社より、文庫版も上梓されています。

名作絵物語

名作絵物語

中原淳一 *著*挿画*装幀
中原蒼二 *監修
国書刊行会
昭和60年5月初版 / 21.5×15.5 / 145p
ハードカバー
[ 商品番号 N゜kf7-11-c4 ]

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昭和31年1月にひまわり社より上梓された『名作絵物語』を原本として、新仮名遣いに改められ上梓された 「淳一文庫」の4巻め…『名作絵物語』です♪

収められているのは、『あしながおじさん』『蝶々夫人』『イノック・アーデン』『赤毛のアン』『白鹿姫』『たけくらべ』『椿姫』『小公女』『カルメン』『白鳥』『母』『人魚のお姫さま』『妖女の森』…古今東西の名作をダイジェストにした物語たち!

それぞれのお話にクレジットはありませんが、奥付の著者の欄に、中原淳一さんと共に、城夏子さん、高英男さん、松田信子さんのお名前が記されているので、恐らく、文章はこれらの方々が担当されてらっしゃるかと想います。
そして、物語を彩るのは、もちろん、中原淳一さんのイラスト.:*・゜

カラーの背景にペン画風のもの、影絵風のものが多く、多色刷りされたページが少ないところが時代を感じさせますが、構図、丁寧に描き込まれた線描は、いくら観ていても見飽きることのない美しさです.:*・゜

どうぞご堪能ください.:*・゜

Information

出版社品切れ または絶版 となっています >2018年4月現在

七人のお姫さま

七人のお姫さま

中原淳一 *著 *挿画*装幀
国書刊行会
昭和60年初版・平成19年8月新装版初版 / 24.5×22 / 111p
ハードカバー
[ 商品番号 N゜kf7-11-c5 ]

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子どもの頃に何度となく読み、聞かされてきた「人魚姫」「白雪姫」etc... お姫さまが登場する7つの童話から成る豪華な絵本.:*・゜

お話によってページの地の色が変わったり、カラー扉繪がついていたり、ページをめくるごとに美しい挿絵が目にとびこんできたり… 本の創りも素敵でビジュアル的にも大満足ですが、なにより中原淳一さんの精神が隅々まで行き届いているところがとても豪華です。

まず中原さんによる選び抜かれた言葉で語られているのがなにより贅沢ですし、それぞれのお話に対するコメントや手書きによるあとがきに至るまで、この本を読んで愉しんでこれから先の人生の糧にして欲しい!という中原さんの気持ちが伝わってくるような読み心地です。

あとがきに次のような文章があります。
“私は幼ない時に絵本で讀んだり、母や幼稚園の先生からきかされて、ただ面白かったり、可哀そうだったり、楽しい気分になった話を、大人になって、ふとしたチャンスに讀みかえしてみると、ただ面白くて美しい楽しいだけのものも勿論ありますが、名作といわれているものの中には、人生の深い内容をもっているものにふれて感動する事がしばしばありました。流れの水に満ちた一輪の花が流れのまゝに流されて、どこにたどりつくかも知らず、ある時は急流にのまれ、また或る時はゆるやかな波のまにまに、そしてふと誰かの手に拾われたか、と思うと、又道ばたに捨てられてしまい、行きかう人に踏まれるか、と思った時に思いがけず人に拾われて、美しい部屋のテーブルの上に飾られる。しかし、そのしあわせな時もつかの間で、又思いもかけない出来事に見舞われる。…人生とは誰がたくらんだのでもないのに、次々に色々な運命に出会うものだ―という事を、あの可愛らしい親指姫の物語りから私は今さらのように感じました。”

引用が長くなってしまいましたが、大人になってから‘名作童話’を読み返すことについて、中原さんがとても意義深いものを感じていたことが伝わってくる文章だなと思いご紹介させていただきました♪

「それいゆ」「ひまわり」など数々の綺羅星のような雑誌においても、なるべくちゃんと読んで欲しいと思うページには、どんなにお忙しくてもご自分で挿絵を描かれたという中原淳一さん、この本は昭和43年に大光社から刊行された同名の本が昭和60年に「淳一文庫5」として復刻された版の新装版ですが、隅々まで中原さんが手掛けてらっしゃるという点からも、ずっと読みついでいきたい素敵な1册です.:*・゜

Information

ちなみに、こちらに収められている7つの童話は「親指姫」「人魚姫」「白雪姫」「白鹿姫」「雪姫」「シンデレラ姫」「ポストマニ姫」です.:*・゜

新装版がただいま流通中です >2018年4月現在

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