食と暮らしの古本屋 eclipse plus

「世界の詩（うた）とメルヘン」は、 『メルヘンの部屋』『詩画集』というちいさな本たちと「世界の音楽」というカセットが函に入った形でセットになった18巻から成るシリーズです。
世界文化社より刊行されていて、発行年の記載はないのですが、感じからして70年代後半～80年代前半ぐらいでしょうか。
一応「哀愁のパリ」とか「光と影のロマンス」（ ! ）といった風に、テーマ別にセットになってはいるのですが、２册の本たちとカセットの内容にもほとんど関連はないので、それぞれに楽しんでいただける感じです♪

なんといってもお薦めは、『メルヘンの部屋』です.:*・゜
それぞれとても豪華な執筆陣が名を連ねた、洒落た逸品ぞろいなんです。
例えば、中井英夫氏×建石修志氏による『香りのおもいで』、種村季弘氏×石阪春生氏による『ことばたちのフーガ』、東逸子さん×各務三郎氏による『イニシャルのささやき』、里吉しげみ＆水森亜土夫妻による『紅茶の本』など…どうぞこちらの本棚で、その豪華さをお確かめくださいね。

もう１册の本の『詩画集』の方は、全てが松永禎郎さんによる繊細で美しいイラストで彩られていて、世界の詩がテーマ別に編まれています。
なかなか触れる機会のない詩を、こんな素敵な趣きの本でまとめて気軽に読めるなんて、嬉しいかぎり…自分の気持ちや状況がまるで見透かされたかのように描かれた直感的に入り込める詩、自分には想いも及ばなかった美しいイメージ・言葉・発想を思いもかけずもたらしてくれる詩が、国境を越えて時代を越えて、こんなにたくさんあるんだなとほんとうに幸せになるような読み心地です♪

カセットは、ケースが司修氏のイラストで彩られ、クラシック・映画音楽・ジャズ・ポップスなどがムードミュージック風にアレンジされた音楽が、１つのカセットに12曲前後収められていて、Duke Elandor Grand Orchestra 演奏です。
※2024年より、カセット付きのセットの販売は終了いたしました。

「メルヘンワールド」は、「世界の詩（うた）とメルヘン」シリーズが、同じく世界文化社より再刊行されたシリーズです。
『メルヘンの部屋』と『愛の詩画集』の２册がセットで函入りになっていて、版型が 22×15とかなり大きくなっています（カセットは付属していません）。 また、18巻あったシリーズが「メルヘンワールド」では12巻に選り抜かれているようです。
発行年は、「世界の詩（うた）とメルヘン」同様に不明ですが、本のデータベースで調べたところ、１巻の初版だけ判明・1985年とのことです。
本自体は、内容は同じですが、『愛の詩画集』の装幀など若干違いがあります（でも、なんといってもまず手にとって驚くのは大きさです！）。
また、『メルヘンの部屋』と『愛の詩画集』の組み合わせが、「世界の詩（うた）とメルヘン」と違っている巻があります☆
「世界の詩（うた）とメルヘン」シリーズは、その小さなところがとっておきの本を愉しむ雰囲気を盛り上げてくれていて素敵な感じでしたが、こちらはその大きさから、イラストがより迫力を以て愉しめる感じがします♪

では、日常を離れた贅沢な時間を、ごゆっくりお愉しみください…☆

どうぞ併せて、ご堪能ください.:*・゜