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日本語版は、ただいま流通中です >2018年6月現在
Lewis Carroll
Tove Jansson *Kuvittanut
Anni Swan *Suomentanut
WSOY
発行年不明 / 24×17 / 126p
ハードカバー
[ 商品番号 N゜ef5-i-6-1 ]
★フィンランド語版です。
「ムーミン」のお話と画でおなじみ…フィンランドのトーベ・ヤンソンさんによる Alice です!(テキストはフィンランド語で、1906年にアンニ・スワンさんが翻訳したもの。ヤンソンさんの挿絵は、1966年に上梓されています)
ヤンソンさんによる Alice (フィンランド語ではアリスではなくリーサと呼ばれているそうですが)、初めてその存在を知った時もドキドキしましたが、いざページを辿ってみると~*
ドキドキドキドキ…なんとも不穏な雰囲気が漂っています。
けぶる煙のように、ゆらゆらと儚気に、Alice が落ちていく兎穴…鍾乳洞のような広間…外に出ても、ヤンソンさんの不思議の国の空は、とっぷり暮れた夕焼けのような淋しさに満ち、蝙蝠が飛んでいて…。
いも虫が座っているきのこも、一目で毒きのこ…と判るような危なげな色遣いで( ! )、ページを辿るだけで、ここはいつもの安全な場所じゃない…と不安な気持ちになってくるよう。
それは Alice も同様のようで、不思議の国を楽しむというより、もうその場に対処するだけで精一杯…ちょっぴり楽しそうなのは兎穴とコーカスレースのシーンくらいで、ずっと憂いと戸惑いを帯びた表情です。
また、Alice の装いは主人公とは思えないほどのシンプルさ…セミロングのブロンドに、白いスモックドレスを着て、白いタイツに黒のストラップシューズという出で立ち。
思うに、ヤンソンさんのイメージでは、Alice は単に不思議の国のお客さんで、主人公はむしろ、不思議の国の住人たちだったのではないでしょうか?
繊細なタッチのペン画で描かれた不思議の国の住人たちは、ムーミン谷を彷佛とさせるような感じで、ユーモラスだったり、哀愁を帯びていたり…もう、なんとも言えない表情で、ページの中を自由自在に、生き生きと動き回っているんです。
コーカスレースの賞品に Alice から貰ったボンボンへの反応が詳しく描かれていたりするところも、ヤンソンさんが不思議の国の住人の立場寄りで、お話に寄り添っている感じが伝わってくるよう…♪
ラストも、Alice のシーンでは終わらず、不思議の国の住人たちが勢ぞろいで、お見送りしてくれます!
なお、本の佇まいと装幀もとっても素敵なこちらの本、カバーをとると現れるのはチェシャ猫のにやにや笑い…!どうぞお楽しみに☆
ルイス・キャロル *著
トーベ・ヤンソン *絵
村山由佳 *訳
メディアファクトリー
2006.3 初版 / 21×15 / 223p
ハードカバー
[ 商品番号 N゜ef5-i-6-2 ]
上記のヤンソンさん挿絵の Alice が、村山由佳さんの新訳で楽しめる1册!
“この作品が生まれるきっかけとなった川べりの午後の、どこか甘酸っぱいような空気感を形にしてみたかった”と語る村山さん。
そのため、地の文は、“キャロル自身がアリスに語り聞かせる口調をそのまま文章にした”訳となっています。
帽子屋が関西弁を話していたりとユニーク( ! )、全体的には、言葉の選び方が独特でかわいらしく、親し気な気持ちになる訳となっていて素敵です☆
装幀は、本体は白色で(上記の原書は深緑)、カバーをとると現れるのは、おすまし顔の白兎☆
カバーの紙質も、原書と似ていて、質感のあるものが使われているのは嬉しいところ(こういう紙質は、汚れ易いのは難点なのですが、この本のカバーは、なんとなく、つるつるピカピカしていてほしくない…優しい滋味のある感じが気分です☆ )
挿絵は、並びはちょこちょこ違っていますが、原書と全く同じものを楽しめます♪(サイズは原書より、ひとまわり小さめです)
ちなみに、帯文は、“守ってあげたいアリスです”(!) …ヤンソンさんのアリスは、まさにそんな感じですよね☆
“永遠の少女たち”と、“彼女を守りたいと願う永遠の少年たち”に捧げられた、待ちに待った翻訳版の登場です!
日本語版は、ただいま流通中です >2018年6月現在
「カフェエイト」さん *著
『VEGE BOOK 3』から…ゴールデンデリシャスと赤ワインのジェラートを作ってみました♪