夢みるイルジー 佑学社 おはなし画集シリーズ3

夢みるイルジー 佑学社 おはなし画集シリーズ3

イルジー・トゥルンカ *絵
へレナ・フヴォイコヴァー *文
小林陽子 *訳
佑学社
1980.6 初版 / 29×22 / 64p
ハードカバー
[ 商品番号 N゜ef12-7 ]

sorry... sold out

このお話の主人公は、なんとちいさかった頃のトゥルンカくん。
“心や目にあふれているもの”を絵に描いたり、人形を作ったりするのが大好きで、かあさんやおじさんが聞かせてくれるお話が現実と同じくらい生き生きと頭の中で息づいているような、そんな夢見がちな男の子だったようです。

いつしか連想が連想をよんで空想の世界にまどろんでいく授業中、慕ってくれる弟、夢を語り合う友だち、ときたま空き地にやってくるサーカスや縁日の馬車、画家になる夢・そしてその夢をかなえるために大切なことを心臓のあたりで話しかけてくる“だれか”の存在、おもちゃ作りを手伝わせてくれるおじいさん・おばあさん、新しく赴任してきた理解ある先生……トゥルンカさん自らが、文を担当しているへレナさんに語ったと推測できるくらい生き生きと描かれているエピソード達からは、その臨場感までもが伝わってくるようです(ちなみに、へレナさんは1990年にトゥルンカさんについての本を上梓されています)。

原題は「JIRI TRNKA TO CHILDREN」ということで、これから大人になっていく子どもたちに向けてトゥルンカさんが、僕が子どもの頃はこんな子だったんだよ、とこれから同じ世界に生きていく同志に寄せる共感のようなものを込めて語ってくれているような絵本。

また、ある評論家の方の言葉に「人形はティールロヴァーにとってはアイディアだった。ゼマンにとってはプロセスだった。トルンカにとっては運命だった」という言葉があるそうですが、この絵本からはトゥルンカ氏が生まれ育った環境、そして早くから目覚めた芸術への‘運命’的な傾倒を読み取ることができます。

この絵本は、トゥルンカさんの子ども時代を伝えてくれる自伝的なお話としてはもちろんのこと、1つの物語としても(入れ子になっているさまざまな物語も含め)楽しめますし、ビジュアル的にも、これまでにトゥルンカさんが手掛けた絵本の挿絵がふんだんに盛り込まれていてバラエティに富んだ嬉しい1册となっていますよ☆

The key to the treasure is the treasure

 イルジーは 帰りがけに、家畜小屋によって 牛乳差しをうけとってから、友だちといっしょに家路につきました。きらきらかがやく星の下、ふたりは歩きながら、大きくなったら どんなことをしたいか はなしあったのです。
「きみが大きくなったら 何になるか知ってるぜ、画家だろう」
「でも、ぼくは なにか英雄的なことをやりとげたいんだ。なにか偉大なことをね、わかるかい?」
「それができるのが芸術家じゃないか! おれ、画家や詩人なんかのことを書いた本読んだばかりだけど、みんな世の中に出るときは食うや食わずで、だれにも理解されないし、援助もなしに、それでも、仕事いちずにやっていくんだ。その本、かしてやるよ」
イルジーは、考えこんでしまいました。詩人志望の若い友だちは、ちょっと声をひそめました。このとき、星たちは ひときわおごそかに かがやいたようでしたから。
「剣も よろいも いらないんだけど、とちゅうで 何度も 百の頭を持った竜にであうかもしれないぜ。こわくないかい?」
「いいや」イルジーもまた、うんと低い声で 答えました。
イルジーの心ぞうは ドキドキとはやがねのようにうちました。たたかって、そんな竜などやっつけてしまおう。でも、イルジーはまだ、何をやっつけなければならないのかも、どうやったらいいのかも、考えてはいませんでした。

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出版社品切れ または絶版 となっています >2018年6月現在

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