お菓子の小屋

お菓子の小屋

イジー・トゥルンカ *絵
ハナ・ドスコチロヴァー *文
金山美莎子 *訳
佑学社
1983.4 初版 / 29×22 / 57p
ハードカバー
[ 商品番号 N゜ef12-11 ]

sorry... sold out

“むかし、みわたすかぎり、森につつまれた山がありました。”
山奥で、人が住むお家も “ほんのすこし、ちょうどたそがれどきに空にまたたく星のように、ぽつりぽつりとたっているきり”で、それだからよけいに、人々は、お互いにとても友だちを大切にしあって暮らしている、そんな場所.:*・゜

ある時、森でひとりの若者と娘さんが出逢い、“森じゅうで、いちばん美しい場所” にふたりの小屋を建てて、やがてかわいい娘のマドレンカと弟のヤネックが産まれます。
マドレンカは、すくすく良い子に育ったのですが、弟のヤネック坊やときたら、“ゆりかごの上を、いたずらうさぎがとびこえた”のでしょうか、それとも、“おくるみに、赤毛のりすが毛をまきちらした”のでしょうか、いつも騒動を巻き起こす大変な男の子!
そして、じゃがいもばかりの食事に飽きたことから、魔法の森にあるかもしれない 「お菓子の小屋」の妄想に夢中になってしまい、とうとう、とうさんとかあさんが市場へ出掛ける日に、欲に駆られて お姉さんを道連れに、魔法の森へ出掛けてしまいます!
そして、うっとりするような魔法に酔いしれているうちに眠りの魔法にかけられ、夜、目覚めて森をさまよい歩いていると、念願のお菓子の小屋が!
…でも、そこには、子どもを食らう魔法使いのおばあさんがいて、ふたりを食べようとするのですが…!!

こちら、原題は『HANSEL AND GRETEL』で、皆さまご存じのグリム童話『ヘンゼルとグレーテル』 に想を得たお話なのですが、兄妹の性別が逆転していたり、親が口減らしのために 子どもを手離すという設定ではなかったり、魔法の森という幻想的で魅惑的な設定が付け加えられていたり…そして、子どもたちの“相談役”として、からすのバーラおばさんという魅力的なキャラクターも登場します!
このバーラおばさんは、お家に住み付いていて、マドレンカとヤネックになにかと知恵を授けてくれ、最後は 魔法使いを退治する方法を教えてくれる頼もしいカラスなのですが、動物と人間が ごく当たり前のように会話している不思議も不思議に感じない温かな魅力が、このお話にはあります♪

そして、一番素敵なのは、やっぱりラストの場面.:*・゜
『ヘンゼルとグレーテル』 では、魔女の家から持ち帰った宝物で、食べるのに困っていた家族が また幸せに暮らせるようになるというラストでしたが、こちらのお話では、子どもたちが帰って来て、また家族みんなで 夕食のテーブルにつくところで終わります。
テーブルの上には、いつもの粗食に加えて、とうさんとかあさんが、なけなしのお金で子どもたちに買ってきてくれた2枚のクッキーが.:*・゜そして、“これこそ、世界じゅうでいちばん大きくて、いちばんあまいクッキーでした”と締めくくられます♪

暮らしを守ってくれる森と誘惑の森、両極端な森に囲まれているという独特の世界観、ふとした文章も言い回しも美しく、時に愉しくて、読みごたえのあるお話です.:*・゜

また、トゥルンカさんによる挿し絵も、力強い線描が、にじみが活かされた美しい色合いの水彩で彩られ、幻想的で美しいです.:*・゜ちなみに、「お菓子の小屋」は、トゥルンカ氏が好んで描き続けたモチーフだそうです♪
どうぞご堪能ください.:*・゜

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出版社品切れ または絶版 となっています >2018年6月現在

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