食と暮らしの古本屋 eclipse plus

まずページをめくると、グレーのドット模様の薄いトレーシングペーパーが現れます（右下に大島弓子さんのサイン〔印刷〕入りです）。
そのうすーいページをそうっと通り抜けたら、もうそこは大島弓子さんの代表作『綿の国星』の主人公*チビ猫の夢の世界！

鳥みたいに飛べた夢、ハミングを作曲中のラフィエルに会った夢、かわいいけど目覚めてよく考えてみたらこわかった夢、ホワイトフィールドならぬチョコレートフィールドちゃんの夢、さかなになっちゃった夢などなど…。

とにかく須和野チビ猫さんがやっぱり大活躍でカワイイ！のですが、夢の内容のテキストも、さすが夢について一家言ある大島弓子さんならでは（カバー裏見返しには、大島さんによるあとがき―わたしの夢―があります）。

ご紹介したい夢はいっぱいで随分悩んでしまいましたが、ここでは１５の夢から１つを選んでみました。 お月様の夢です☆

• Good taste 　
  • 水にうつったお月様を
  • たべる夢みちゃった
  • 時夫が洗面器の中の
  • お月様を手ですくって
  • パキッと半分にわって
  • あたしにくれた
  • ヒュルンとつめたくて
  • しゅかっと　かめて
  • *
  • あたしが「みいい味だね」
  • と時夫に言うと
  • 「うん　みいいね」
  • と時夫が言った
  • *
  • みいい味って
  • きっと　あのお月様をたべた人でなきゃ　わかんないと思う
  • とってもおいしい味　でも普通のおいしさとはちがって
  • もっとおいしい味で　もっとおいしい味というよりも……
  • うーん　うまく説明できないよォ