食と暮らしの古本屋 eclipse plus

大島弓子さんの大傑作『綿の国星』にちなんだお菓子を、今田美奈子さんがオリジナルで創作…
「チビ猫のプチ・デジュネ」「つめたいたいけん」「午後のお茶会」「バスケットにゆられて」「カーニバルナイト」「お月様といっしょに」と６つにカテゴリー分けされた30種類のお菓子たちが紹介されています。

ミルククラウン、タマヤ猫のコーヒーババロア、凍ったお月様、ラフィエルのハミングケーキ、キャラウェイのおすましケーキ、チョコレートフィールド、時夫とみつあみのカップルケーキ、夕焼けゼリー etc... 書き出しているだけでも心が浮き浮きしてくるような、お菓子のネーミングが楽しい！！

また、それぞれの創り方はもちろんのこと、『綿の国星』からの名シーン、名カット、名セリフもいっぱいで、もう嬉しくなってしまいます☆

さらに、それぞれのお菓子に対して、いろーんな登場人物（猫）がコメントを寄せていたりして、これがまた楽しいんです！
全部ご紹介したいところですが、例えば…
“猫は猫に　人間は人間に　ザックザックパンケーキはザックザックパンケーキになるしかないんだ。うまくつくんなよ。― ヨーデル猫”とか、
“ソフトクリームやアイスクリームバー、カップアイスクリームを買って食べるのもいいが、自分で作ったアイスクリームの味を知ってもいいと思う。食べなれたものを作ってみる。アイスクリームのできる過程に、どんなスリルとサスペンスが含まれてるかもしれん。マンネリは舌への冒涜だ。感覚の冒涜ですよ。― ハードボイルド作家”などなど！

他、製菓材料に関する豆知識いっぱいの「材料ミニ事典」が随所に盛り込まれ、巻末には「お菓子づくりの基礎知識１３選」もあったりします。

作品を楽しんだ後にもう一度、『綿の国星』の世界にゆったりひたりながら、お菓子作りもちゃんと学べてしまう、なんとも素敵な企画本となっていますよ。