食と暮らしの古本屋 eclipse plus

ご存じ、韓国を代表する国民食「キムチ」…秋の終わりを迎える頃、韓国では寒い冬の間中いただくひと冬分のキムチをまとめて漬ける「キムジャン」という家庭行事があります。

最近では、食生活やライフスタイルの変化、キムチ専用冷蔵庫の普及などで、伝統行事が昔のようではないのはどこの国も同じ…大切な年中行事を子どもたちに伝えたい、そんな思いが伝わってくる韓国の絵本の翻訳版です。

おばあちゃんを筆頭に家族総出で、また、白菜に具をくるむ時にはご近所さん達の助けを借りて、ちいさな女の子ソンミのお家の「キムジャン」の様子が、キムチの作り方と共に丁寧に愉しげに描かれています。

楽しいのは、サイドストーリーとして、「毎年毎年、ソンミのうちからもらって食べるのは悪いから」と、ソンミの家の裏庭に住むねずみの家族がキムチ作りに初挑戦する様子が描かれていること！
ソンミの家族の真似をして頑張っていて、くり返しのリズムがかわいらしく愉しいです♪

ラストでは、ソンミのお家のかめにも、ねずみのお家のかめにも、いろいろな種類のキムチがぎっしり！
ペチュキムチ、チョンガッキムチ、カットゥギ、トンチミ etc... 保存食がたっぷりと仕込まれている様子に、なんだか充実した気持ちと安心感でほっとしてしまいます.:*・゜

その数100種類を越えるというキムチは、さまざまな野菜と塩辛に、にんにくや唐辛子などを用いて作る発酵食品…お肌や身体に良いことで、もう日本でもすっかりおなじみですね！
巻末には、キムチの歴史や種類なども紹介されていますので、奥深いキムチについてちょっと詳しく知りたい方にもお薦めです♪

また、イラストも独特な色遣いが楽しく、翻訳も原語の発音に近い表記が工夫されていたりと、韓国の文化も味わえる１册となっていますよ。