アガサ・クリスティーの食卓
北野佐久子 *著
北野佐久子 *菓子制作*調理
縄田智子 L'espace *ブックデザイン
山田博之 *カバー絵
婦人画報社
1998 初版・1999.2刷 / 19×13 / 183p
ソフトカバー
[ 商品番号 N゜s11-1 ]
sorry... sold out
ハーブについての研究で知られ、イギリスのお料理や お菓子、文化の紹介でもご活躍の北野佐久子さんによる1册♪
イギリスが誇るミステリーの女王アガサ・クリスティー女史の数多くの作品(戯曲含む)の中から、 イギリスならではの美味しい食べ物、行事や習慣、また、ハーブやガーデニング etc... が描かれたエピソードが選ばれ、ミステリーとの絡みと共に紹介されています。
ご自身がイギリスにホームステイされていた頃の経験も思い出深く加味されていて、食文化を中心に イギリスの暮らしが生き生きと伝わってくる素敵な読み心地.:*・゜上品な語り口も魅力です。
クリスティー女史の食卓が、時代考証と共に紹介されている内容ではありませんが、案外、北野さんがホームステイされていた1980年代イギリスと大英帝国華やかなりし頃の英国の間には、イギリス人気質という点では、あまり変化はないのかもしれません( ! )。
作品から該当部分の引用もあり、作品の紹介文も簡潔ですが丁寧です。
時に、ミステリーの核心がネタばれしているところがあるので、これから作品を読むご予定がある方は、こちらを後にご覧くださいね。
また、少しですがレシピも添えられており、シード・ケーキ、カモマイル・ティー、ウェルシュ・ラビット、ソーダ・ブレッドが愉しめます♪
ポワロに ミス・マープル、トミーとタペンス、ハーリ・クィン氏、パーカー・パイン氏、バトル警視と、おなじみの名探偵も勢ぞろい!
下記で、紹介されている作品とモチーフをほんの一例ですがご紹介していきますね。どうぞお愉しみください.:*・゜
- 母親から受け継ぐお菓子の味
- 『スリーピング・マーダー』
- ミス・マープルも気になるイギリス式“おばあちゃんの味”ジンジャーブレッド
- 『ホロー荘の殺人』
- メニューでわかるゲストのステイタス 白いシャツを着たお菓子
- 『象は忘れない』
- ポアロもひいきにした老舗百貨店 フォートナム・アンド・メイソン
- 『ハロウィーン・パーティ』
- ミセズ・オリヴァが遭遇したリンゴ殺人事件 クッキング・アップル
- 『ヒッコリー・ロードの殺人』
- 丸形より四角がポアロの好み? 午後のお茶の定番小型パン
- 『鳩のなかの猫』
- ビスケット作りに欠かせない黄金色の糖蜜 ゴールデン・シロップ
- 『動く指』
- 千五百年も前から続くイギリス家庭伝統の味 ブレッド・プディング
- 『バートラム・ホテルにて』
- キャラウェイ入りのスパイシーなケーキ ほんもののシード・ケーキ
- etc...
- 英国人のみだしなみ
- 『バグダッドの秘密』
- ビクトリア朝のおもかげを残す高級専門店街 バーリントン・アーケード
- etc...
- 食卓の上の美味なイギリス
- 『教会で死んだ男』
- 『青列車の秘密』
- 男性好みの英国産ブルーチーズ スティルトン・チーズ
- 『親指のうずき』
- 昼食を楽しむなら郊外のパブで イングリッシュ・パブ
- 『死人の鏡』
- ボリューム感あふれる温々のオムレツは立派な一品 ごちそうオムレツ
- 『リスタデール卿の謎』
- 『アクロイド殺し』
- ナッツや豆類を豊富に使った健康食 菜食主義者のナッツ・カツレツ
- 『運命の裏木戸』
- フルコースの食事形式はビクトリア朝から ビクトリア朝の献立
- 『クリスマス・プディングの冒険』 ★こちらで詳しくご紹介しています♪
- 食の好みは偽れない? ステーキ・アンド・キドニーパイ
- etc...
- 戸外で楽しむ味
- 『ABC殺人事件』
- ヘイスティングズが見誤ったイチゴの善し悪し 摘みたてイチゴ
- etc...
- 両手の中のくつろぎの味
- 『殺人は容易だ』
- ブリジェットを救った中国茶の風味 ラプサン・スーチョン
- 『鏡は横にひび割れて』
- 『複数の時計』
- 『ブラック・コーヒー』
- 『パディントン発 4時50分』
- マープルも常備したハーブで作るお酒とお茶 カウスリップ茶とカモマイル茶
- 『満潮に乗って』
- etc...
- ハーブに夢中、庭に夢中
- 『死との約束』
- 『愛の探偵たち』
- 『茶色の服の男』
- 英国最古の香水は暑い土地での必需品 ラベンダー香水
- 『愛国殺人』
- 『忘られぬ死』
- 『葬儀を終えて』
- 東洋風の食器で“クリーム・ティー”を ウィロー・パターン
- 『五匹の子豚』
- ハーブの知識を広めた先駆者たち 薬草研究家(ハーバリスト)
- 『謎のクィン氏』
- 『杉の柩』
- etc...
- 旅先で見つける小さな風景
- 『七つの時計』
- 気軽に買える庶民のお総菜 フィッシュ・アンド・チップス
- 『ひらいたトランプ』
- クリスティーも愛したデヴォンシャー名物のクリーム クロッテッド・クリーム
- 『予告殺人』
- お金では買えない「時」を秘めた物の魅力 アンティークの楽しみ
- 『おしどり探偵』
- ウェールズ人好みのちょっと手間をかけたチーズトースト ウェルシュ・ラビット
- 『愛の探偵たち』
- 非常時も安心、手間なしでおいしいパン ソーダ・ブレッド
- etc...
Information
「Vingtaine ヴァンテーヌ」1990年10月号~1992年6月号までに連載された「ミステリーの中のイギリス」をもとに、書き下ろしが加えられた1册です。
出版社品切れ または絶版 となっています >2018年4月現在