食と暮らしの古本屋 eclipse plus

「パッチワーク通信」編集長の市川直美さんが、68号（1995年8月）から 128号（2005年10月）に掲載された記事に加筆され 再編集された『英国キルト紀行』…市川さんが10年に渡り取材された、英国各地のキルトが 盛りだくさんで愉しめ、文章・ビジュアル共に大充実の１册です！

まずは、「英国の暮らしからキルトが生まれた」 として、発祥は 上流階級の女性たちのあり余る時間を過ごすための“手遊び”として、17, 18世紀に歴史をさかのぼり、19世紀には 庶民の暮らしになくてはならないものになったという英国のパッチワークやキルティングの歴史が紹介…
続いて、イングランド、北イングランド、ウェールズ、スコットランド…各地方別にアンティークキルトや現代作家さん達のキルトが紹介されています。

紹介されているのは例えば…
「レバンズホール」所有の英国最古のパッチワークの１つと言われる作品、
「ワーズワース・ハウス」に寄付されたパッチワーク、
グラミス城に飾られたレディ・エリザベスのハネムーン・キルト、
トラクェア城に飾られた16世紀メアリ女王のキルト、
プロの手による、キルティングが施された宮廷舞踏会用の絹のドレスやペチコート、
アシュフォード・コレクションより、ドールハウスコレクターのカーライル夫人のドールハウス内に飾られた小さな小さなキルト、
「ローラアシュレイ」の創始者ローラ・アシュレイさんが集め大切にされていたキルト、
作家ジェーン・オースティン嬢によるパッチワーク、
作家ブロンテ姉妹によるパッチワーク、
『グリーン・ノウ物語』の作者ルーシー・ボストンさんによるパッチワーク、
アンティークキルトのコレクターであるロン・シンプソンさん所有のウェールズ・キルト、
ウェールズキルト収集家ジェン・ジョーンズさん所有のウェールズ・キルト、
テキスタイルコレクターであるジョアン・オーウェルさん所有のウェールズ・キルト etc... !

世界から注目されている エネルギッシュなキルターさんたちの作品もたくさん紹介されています （紹介されているのは、アンジェラ・マッデンさん、ドロシー・ステプルトンさん、アヴェリル・クラベイさん、グリス・ガッシュさん、ケイフ・ファセットさん、ジャネット・ボールトンさん、エイミー・エムズさん、レイラ・アンダーソンさん、ペギー・ステナーさん、ドロシー・オスラーさん、グウェン・エヴァンスさん、ドリーン・ゴウさん、クレア・クラリッジさん、ポーリーヌ・バービッジさん）。

紹介文は、時代背景や時代考察、当時の染色技術や技法をふまえたテクニックの考察、コンディションのお話など、１作品１作品に思いが込められていて、読みごたえたっぷり！
他、イングリッシュメッソード「ペーパーライナー式」のお話、ダーラムキルトと北部産業作業所のお話、アーミッシュキルトとウェールズキルトの相違についてのお話なども愉しめ、キルトが愉しめる英国のミュージアム情報も詳しいです！

また、キルトを所蔵されている館やお家のインテリア、お庭や 英国の街並み etc... キルト作品以外にもたくさんの写真が掲載されていますので、旅行気分も愉しめます♪
どうぞご堪能ください.:*・゜