食と暮らしの古本屋 eclipse plus

サラ・ファネリさんが、1994年に上梓された初めての絵本…こちらは、その３年後に上梓された日本語版です♪

主人公は、コートに付いていた赤色のボタン！
コートの持ち主は、ボタンをとても気に入っていて、毎晩やわらかな布で磨いて大切にしていましたが、ある日、ボタンは決意します。

「ぼく、せかいを みに ゆこう」

そして、はずみをつけて、“ぐうん と おおきく のびをして ぷうん！ぴゅうううん と”世界へ飛び出し、おてんばちゃんや農夫、狼、こぶた、カタツムリ...さまざまな人や動物に出逢いますが…！

カラフルな紙、雑誌や新聞の切り抜きで、まるで切り絵のように施されたコラージュに、鉛筆やパステルで描かれた味のある線！
ページをめくるたびに、さまざまな色が目を愉しませてくれる彩り豊かなページは、リズミカルで遊び心たっぷり♪配色も流石のセンスで、眺めているだけで楽しい気分になってきます！

また、この絵本は文章のレイアウトがとても面白くて、イラストを囲むように欄外に文章が配されていて、よく見ると文末の位置が次のページの文頭につながっています！
文字の向きに合わせて絵本をくるくる回転して読んでいくような感じで、ボタンがくるくる回転するイメージになぞらえているのでしょうか！とても洒落ています♪
ひらがなとカタカナで表現された穂村弘さんによる訳も、イノセントな魅力を湛えていて、サラ・ファネリさんの世界にぴったり！

表紙にお目見えしている赤いボタンがくるくる回転する仕様になっている仕掛けも凝っていますので、ぜひくるくるしてみてくださいね。
どうぞご堪能ください♪