ぼくはへいたろう「稲生物怪録」より

ぼくはへいたろう「稲生物怪録」より

小沢正 *作
宇野亜喜良 *絵
福音館書店 / こどものとも461号
1994年8月初版 / 19×26.5 / 32p
ソフトカバー
[ 商品番号 N゜ef59-t-461 ]

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化け物が住んでいて誰も近寄らないひぐま山へ肝試しに出掛けた子ども侍のへいたろう…平気ですたすたと登って帰ってきましたが、その日の夜から、へいたろうの周りでは、夜な夜な怪奇現象が起こって…!

噂を聞きつけてやって来た大人たちが驚いて逃げてしまうほどの怪奇現象なのに、どんなに怖ろしい化け物が出てきても、平気な顔をして動じないへいたろう!
一方で、へいたろうの傍らにいつもいる猫の怖がりようといったら!!そのしぐさ、表情が可愛くて面白過ぎて、怪奇現象よりまず猫を探してしまいます。

お話は、「稲生物怪録」という広島県三次に伝わる民話だそうで、作者の小沢正さんが幼少期に出逢った厳谷小波さんによる子ども向けの再話『平太郎化物日記』の強烈な印象が元になっているそうです。

空中に舞い散る紙が蝶々になったり、座敷が海になったり、たくさんの顔のある月がふわふわと家の中に入ってきたり…ろくろっ首などの古典的なお化けも登場しますが、なんだか幻想的な怪奇現象が多く、ユーモラスな猫も併せて、宇野亜喜良さんの筆が冴えわたっています!

どんな怖い怪奇現象もへっちゃらだったへいたろうにも、最後にひとつ苦手なものが出てきましたが、我慢していたら、お化けの親分?が出てきて、“ゆうきのしるし”として大きなおしゃもじをくれます。
特におしゃもじからどんどんご飯が出てくるというような民話によくある展開はないのですが、食べるのに困らないというような意味があるのでしょうか?

ラスト、へいたろうと猫が佇んでいる岩の形にもご注目いただいて…
どうぞご堪能ください!

Information

2002年に、上記の「こどものとも」を原本として再構成された絵本が上梓されています(版型など異なっています)。

「こどものとも」版は、出版社品切れ または絶版 となっています >2018年9月現在

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