食と暮らしの古本屋 eclipse plus

降り積もる雪の中、熊の母さんと産まれたばかりの双子のぼうやたちが冬ごもりをしています。
おっぱい飲んではくうくう眠り、どんどん大きくなるぼうやたち、冬ごもりの穴の中は、母さんの温もりと優しさに満ちています。

外からいろいろな音がします。
ぼうやたちにとっては、初めて聞く音ばかり！
「かーん かーんって なんの おと？」「ほっほー ほっほーって なんの おと？」「どうして しーんと しずかなの？」
知りたがりやのぼうやたちに、ひとつひとつ、優しく答える母さん。

外から聞こえる音はやがて、ぽとんぽとん...つららが溶ける春の訪れを知らせてくれる音に変わって、ぼうやたちに春風の香りを届けてくれて.:*・゜

静かにあたたかに、優しいリズムで、春を迎えるなんともいえない嬉しい気持ちを描いてくれた神沢利子さんのお話がとても素敵♪

平山英三さんの優しくやわらかなイラストもしみじみ良いです。
冬の間、狭い穴の中で親子がふわふわもこもこくっついている姿、春の香りを聴くように親子がみんなで同じ方向を向いて遠くを見つめる姿、ラスト、光が差しカタクリの花が咲く森の中をとことこ嬉しそうに歩く親子の姿... 眺めていると、幸せであったかい気持ちになります.:*・゜
目の表情もなんともいえず、可愛らしい♪

春を待ち遠しく感じながら、自然の音に耳を澄ませて…
どうぞご堪能ください.:*・゜