しんせつなともだち

しんせつなともだち

方軼羣(ふあん いーちゅん) *作
君島久子 *訳
村山知義 *画
福音館書店 / こどものとも傑作集
1965年初版・1987年傑作集初版 / 19×26.5 / 28p
ハードカバー
[ 商品番号 N゜ef59-t-109 ]

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雪がたくさん降って、野も山も真っ白におおわれたある寒い冬の日、こうさぎが食べるものを探しに外へ出掛けます。
運良くかぶをふたつ見つけたこうさぎは、ひとつを食べますが、もうひとつは友だちにあげようと思い、ろばのところへ持っていきます。
ところが、ろばも食べるものを探しに出掛けていて留守にしていたので、ろばには会えません。
こうさぎは、ろばの家に“そっと”かぶを置いて、家に戻りますが、運良くさつまいもを見つけていたろばは、だれかが置いていってくれたかぶを、やぎのところへ持っていきます。
ところが、やぎも食べるものを探しに出掛けていて留守にしていて…!

こうさぎの友だちを想う気持ちが、輪のようにつながって、巡り巡ってこうさぎのところへ戻ってくる…ちいさな子どもが大好きな繰り返しの妙が存分に楽しめる絵本ですが、繰り返しがこれほどまでにあったかさを感じさせてくれる1冊は他にないのではと思うくらい、温かな優しい気持ちにさせてくれる絵本です.:*・゜

お話は、作者の方軼羣さんが伝え聞いた、”野戦病院にとある劇団が土産をもって訪れ、その土産がいろいろなところを経由して結局劇団のもとに戻ってきた“という朝鮮戦争時の逸話が元になっているそう♪
戦争を寒い冬に置き換えて、厳しい状況で自分が生き抜くことに必死な中でも、他者を思いやる優しい気持ちを持ち続けることの素晴らしさが伝わってきます。

親切な気持ちが巡り巡って、かぶが戻ってきたことも素晴らしいですが、なにより、食べるものを独り占めせずに友だちに分けてあげたその行為が、どれほど、その後の人生に影響を与えるのか…目先の利益ではなく、良心に沿うことが結局、自分を助けてくれるということが、とても優しく分かりやすく描かれているように思います。
ラストで、こうさぎがぐっすり幸せに眠ることができたのは、おなかがいっぱいだった為でもあるでしょうが、きっと、心にやましいことがなかった為でもあるでしょうから.:*・゜

村山知義さんのイラストも色遣いや構図など素晴らしくて、登場する動物たちがとても暖かそうな恰好をしているところにもほっこりします♪

どうぞご堪能ください.:*・゜

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