食と暮らしの古本屋 eclipse plus

世界中で愛され続けている『不思議の国のアリス』.:*・゜
…その誕生のいきさつをご存じですか？

世にも類まれな Alice の物語はまた、その誕生もとてもユニーク！
もともと、ヴィクトリア朝時代のオックスフォード大学で 数学教授をしていたドジソン氏が、同じ構内に住んでいた少女アリス・リデル嬢とその姉妹に即興で語ったお話だったのですが、お話を気に入ったアリスにせがまれて、後に一册の手描きの本にしてプレゼントします…その本が評判になり、今度は周りから頼まれて、大幅に加筆され、世に向けて出版されることに.:*・゜
そんなふうに遊びから誕生し １人の少女に贈った本がきっかけとなり、現在では世界中で出版され愛され続けている…そんな素敵ないきさつがあるのです！

アリスにせがまれ、2年後のクリスマスプレゼントとして贈られた 世界でたった一册の手描き絵本 『Alice's Adventures Under Ground』（地下の国のアリス）は、現在、大英博物館に所蔵されているのですが、こちらは その原本の復刻版を“英国パビリオン・ブックス社の指導の下、完全復刻”、丁寧な解説と訳が愉しめる本と併せて上梓された 函入りの 2册セットです♪

アリスだけに贈られたオリジナルのお話は、現在私たちが親しんでいるお話より だいぶ短いながらも、基本的な枠組みは ほぼ出来上がっていて、手描きで几帳面に書かれた文章に、 キャロル氏自らによる 37葉のユーモラスな挿し絵が施され、手作りの味わいがなんともいえず素敵で贅沢.:*・゜

挿し絵は、クリスマスプレゼントらしく赤と緑で、見返しのイラストや Chapter のタイトル、イラストの一部にも少し彩色されていますが、ほとんどはモノクロのペン画となっています。

Alice は、2年後の 少しお姉さんになった アリス・リデル嬢をモデルにしているのでしょうか…写真に残っているおかっぱ頭のあどけないアリス嬢の雰囲気はなく、髪はウェーブのかかったロングで、動きやすそうな ふわっとしたワンピースを着ていて、物憂げな雰囲気が 当時流行していたラファエル前派の影響を感じさせます。
また、不思議の国の住人たちの中には、キャロル氏も親しんでいたと想われるエドワード・リア氏のイラストを想わせるものも☆

時は1862年7月4日のうららかな午後、ボート遊びをしながら、少女たちにせがまれて語られた Alice の冒険…ドジソン氏は “物語が佳境に入ると、しばしば眠ったふりをしては彼女たちをあわてさせた”そうですよ（ ! ）。

そんな微笑ましい、至福の時間を想いながら、どうぞご堪能ください.:*・゜

なお、解説書の内容は、解説と原本復刻版の翻訳（丁寧な脚注付き）です。
翻訳のページでは、『Alice's Adventures in Wonderland』におけるテニエル氏のイラストが愉しめます♪

函の表紙です

解説書の表紙です