不思議の国のアリス

不思議の国のアリス

ルイス・キャロル *著
金子國義 *訳*挿絵
メディアファクトリー
2000.4 初版 / 28×22 / 63p
ハードカバー
[ 商品番号 N゜ef5-i-4 ]

sorry... sold out

金子國義氏の“ Alice との決定的な出会い”は、 1974年に上梓されることになるアリスの大型絵本の挿絵を、イタリアのオリベッティ社から依頼されたことに始まります。

こちらは、以後、時にキャロル氏のお話から抜け出し、さまざまに Alice を描き出してきた氏が、今度はなんと文章も手掛け、独自の美意識で新たに紡ぎ出した一册。11葉のカラーリトグラフに彩られたうっとり本です♪

金子國義氏の描くAlice は、セミロングの栗色の髪に黒のカチューシャをして、パフスリーヴの蒼いワンピースに、フリルでハイネックになった白いエプロンドレスを重ねています。
蒼いワンピースは、まぶたのシャドウに、そして、白いエプロンドレスの袖口とポケット部分に施された赤いパイピングは、唇の色と合っていて…。
また、キュッと絞られたウエストと、ふわっと拡がったギャザーのスカートのコントラストも、大人っぽさと少女っぽさのコントラストをキャロル氏の Alice 以上に感じさせる、金子氏の Alice にぴったりという感じです。
足元は、蒼色のしましまタイツに、ヒールのある足首までの黒い紐靴、さらに、首元にはカメオのブローチ!はっとする程、お洒落さんです☆

文章は、クレジットには*訳*とありますが、*翻案*といった方が正しいかもしれません。絵本なので、もともとのお話より簡略化されているものの、ストーリー性は変わらないのですが、ディテールがもうすごいことになっています!

ページを辿って、まず驚くのは、兎の描写。
ダンディズムの申し子*ボー・ブランメル*を気取った、これまたお洒落な兎にびっくり!さらに、Alice が落ちる兎穴の様子は、金子氏ならではの美意識に彩られていて…。Alice の物語で一番と言えるくらい大切なシーンだけに、これまで落ちたことのない兎穴の向こうには、これまでにない不思議の国が待っているようでドキドキします♪

また、「DRINK ME」 の味や、帽子屋のなぞなぞが変えられていたりと、元のお話を読んだことのある方なら、より楽しむことのできるような遊び心がいっぱい仕掛けられていますよ…☆

Alice だって、やっぱり元のお話の Alice とはちょっと違っています。とってもお上品でかわいらしいかと思えば、すごい癇癪持ちで高飛車なおすましさん!でも意外と駄洒落が好きだったり、ユニークなコメントで笑わせてくれたりと、金子氏ならではの新たな魅力がいっぱい!

なお、この本のカバーは、プラスチックカバーとなっているのですが、裏表紙には、この絵本の Alice に寄せる金子氏のコメントが印刷されています。 こちらがまた、とても素敵な文章ですので、どうぞお楽しみに…♪

不思議の国のアリス/金子國義

不思議の国のアリス/金子國義

不思議の国のアリス/金子國義

不思議の国のアリス/金子國義

Information

出版社品切れ または絶版 となっています >2018年6月現在

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