Information
神奈川新聞社による版は、出版社品切れ または絶版 となっています。
なお、2010年3月、小学館より『熊田千佳慕メルヘンの世界1 ライオンのめがね・ふしぎのくにのアリス』として、2つのお話が収められた絵本が上梓され、ただいま流通中です >2018年6月現在
ふしぎのくにのアリス KUMACHIKA LITTLE BOOK メルヘンの世界
熊田千佳慕 *絵*文*装丁
CHIKABO'S Room *企画*編集
神奈川新聞社
1998.8 初版 / 21×20 / 55p
ハードカバー
[ 商品番号 Ｎ゜ef5-i-19 ]
横浜に生まれ、グラフィックデザイナーから絵本画家に転身…昆虫や花など、美しい自然の世界を描かれ、フランスの「ファーブル友の会」会長から“プチ・ファーブル”と賞賛されたことでも知られる 熊田千佳慕さんによる Alice .:*・゜
戦後間もない頃、1953年に大日本雄弁会講談社から上梓された「ふしぎの国のアリス」が再編集され、まとめられた１册です♪
栗色のウェーブのかかったセミロングの髪に、ルビー色のリボンのカチューシャをして、サテンのように光沢のあるパフスリーブのピンクのドレスに 白のエプロンドレス、靴下にブラウンのストラップシューズという出で立ちの Alice は、きょとんとした上目づかいが可愛く、あどけない雰囲気♪
エプロンと靴下にトリコロールカラーで模様があったりとお洒落な雰囲気で、53年当時はよく外国の方が描いたものと間違えられたそうです！
細密画のようなタッチで、透明感のある繊細な表現がとても素敵.:*・゜
幻獣や不思議の国の住人たちの表情もとってもチャーミングで、満面の笑顔だったり、読者に向かってウインクをしていたりと（ ! )、愉しいです♪
構成としては、見開きの1ページの3分の2くらいが文章で（かな文字で書かれています）、もうあと1ページと文章の残りの3分の1がイラストという絵本形式となっています。
幼少の頃から詩人のお兄さまに聞かされてらっしゃったという Alice のお話…戦後の混乱期、絵本画家として活動を始められた頃は、挿絵の参考書も買えず、お兄さまに聞いたお話やおぼろげに浮かぶ原書の挿絵の記憶を元にされて、まる２年をかけて描かれたそうです。
絵本の制作中は、毎晩トランプの国の夢ばかりご覧になったとのこと…その夢の様子をそのまま描いた画面もあるそうですよ.:*・゜
なお、巻末には 1953年に大日本雄弁会講談社から「ふしぎの国のアリス」を上梓された頃の思い出話が綴られた「当時をふり返って」、年譜もあります♪
どうぞご堪能ください.:*・゜
