食と暮らしの古本屋 eclipse plus

グラフィカルな装幀が目を惹く‘オレンジ絵本名作シリーズ’の１册…タイトルに English is Fun とあるように英語を楽しくお勉強しましょうという趣旨のシリーズのようで、文章は英語とその訳、そしてその下には単語の説明があります（スペースをとるのでお話はかなり省略されています）。

イラストは大塩雅子さんによるもので、画材はパステルと色鉛筆と水彩でしょうか…とっても柔らかいふわふわとした繊細なタッチで描かれています。

Alice は、ウェーブがかかった金髪をリボンのカチューシャでとめ、ブルーに白色のエプロンドレス、白いタイツに黒色のストラップシューズといういでたち、顔だちはまるで日本人形のようです。
不思議の国の住人はお話の長さ的にあまりたくさんは登場しませんが、細部に渡って、細かく丁寧に描き込まれています。

印象に残るページはいくつかありますが、やはりなんといってもラストのページ！Alice が不思議の国からもとの場所に戻っているところです。
この場面は、たいてい目が覚めてお姉さんとおしゃべりしていたりするイラストが描かれていることが多いのですが、この本では、Alice はまだ横たわっていて夢の中…頭の上には数枚の葉っぱが散り、ピンクの眼をした白兎が寄り添っています。
何度眺めてもため息をついてしまう、美しいイラストとなっていますよ。