食と暮らしの古本屋 eclipse plus

ウィーン在住の画家、リスベート・ツヴェルガーさんによる Alice です♪

柔らかで繊細な鉛筆の描線を活かしつつ、魔法が溶け込んでいるような美しさの水彩で彩られたツヴェルガーさんの絵には、早朝の一瞬、真夜中から朝に変わるあの類い稀なる一瞬に漂う空気感を感じます。
はっとするような洗練された色遣いは清楚で透明感に満ち、しっかりしたデッサンによるフォルムは落ち着きを称えています。全体的にはシンプルで無機質な印象さえ受けますが、洋服の生地や、動物の毛皮などの質感にはほっとするような温かみがあって…！
どんな素敵なAlice の世界となっているのか、期待はもう高まる一方！！

まずは恒例、Alice のコーディネート・チェックです☆
ツヴェルガーさんによるAlice は、サイドを分け目にしたダークブラウンのストレートロング。かっちりした襟と袖口の直線的な白色のワンピースに、黒のベストを着ていて、足元は赤いタイツにヒールのある黒のエナメル靴。姪ごさんのマリアちゃんをモデルにされているとのことですが、かなり大人っぽいAlice となっています。

不思議の国の住人たちの造型も、とってもユニーク！オリエンタリズムを感じさせる赤い顔のチェシャ猫にはびっくりですし、優しそう～なイモ虫はおっとりした感じが、意外に新しい解釈かもと思います。

また、とても素敵なのは、絵のレイアウト！
ページいっぱいの大きなものから、1センチもないような小さなものまで、様々な大きさでお話に沿って配されているのですが、涙の池のシーンは、なるほどという感じですし、小石ケーキがばらばらと降ってくるシーン、料理番が身近なものを手当り次第に投げつけるシーンなどは、空間の使い方に動きがあって、わくわくするような楽しさがあります。

お話が進むにつれて残りのページを辿るのがだんだんもったいなくなってくるような、 ツヴェルガーさんによる不思議の国、どうぞお愉しみください.:*・゜