「青い菊」 Les Chrysanthemes Bleus

青い菊 Les Chrysanthemes Bleus

鳩山郁子 *著
坂本志保 *装幀
青林工藝舎
1998年5月初版 / 21×15 / 178p
ソフトカバー
[ 商品番号 N゜ef34-3 ]

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鳩山郁子さんの作品は、『スパングル』が最初の出逢いで、特に 「水琴滴」に心酔して、どうしてこんなに心に響くのか…不思議なくらい、はまった時期があります。

その後、『月にひらく襟』、『カストラチュラ』、長野まゆみさんの小説の装幀挿画や、お手製の豆本……と強く惹かれていきました。

ページを開くと、たゆとうように流れる空気を透かして、光が漂っています。
柔らかい光や瑞々しい光、キラッと目を奪う閃光のような光、夜の闇に映える煌々とした光.:*・゜とても綺麗です。
そんな空気の中に佇むのは、端正な感じでエキゾチックな、背景、そして登場人物たち。ちいさな小物に至るまで総てに渡って鳩山さんの美意識が感じられ、また、とても上品なユーモアに心が和みます。
お話のモチーフも、なんだかいちいち魅力的で、鳩山さんの博識ぶりに圧倒されてしまう!
そして、文章がまた、何度も読み返したくなるような美しさなのです.:*・゜

お話の運び方は、仄かに大島弓子さんと同じ香りがするなと思います。
どのように表現したら良いのか難しいのですが、“観念的な謎解き”といった感じでしょうか! 後を引く読後感に至るまでの、独特の思考の課程を追う楽しみは、格別に贅沢な読み心地です。

『青い菊』には、季節的に初夏から夏にかけてぴったりの3作品―
「Un Eatable Sandwitches~あるいは藍晶石譜~」
「七月紙鳶」
「青い菊~Les Chrysanthemes Bleus~」
そして、「Lou-dau-daw~ルウ・ドウ・ドオ~」が収められています。

「Lou-dau-daw~ルウ・ドウ・ドオ~」は、ステレオ・スコープ、ディアボロ独楽、知恵の輪、影絵、ゾーアトロープ、万華鏡など、仕組みを知れば増々魅惑的な小粋な遊具についてのエッセイと 可愛らしいショート・コミックが、薔薇色の幕間仕立て( ! )で楽しめるという嬉しい作品!

他、“松葉の代用ソーダ”や“じゅんじゅんびや”など、夏を涼やかに過ごす為の昔の知恵に驚いてしまう、‘あまいもの’の作り方を楽しめるコーナーも♪
鳩山さんは、字もものすごくお綺麗で、いつもうっとりと眺めてしまいます。
どうぞご堪能ください.:*・゜

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