食と暮らしの古本屋 eclipse plus

…アフリカの みどりの もりの おはなしです…
ある朝、ライオンのルルが目を覚ましてあくびをしていたら、目の前に、空からなにか光るものが ぽたん と落ちてきました。それは、ルルがこれまでに見たことのないきれいに透き通った黄色い物体。ルルがじっと見ていると、なんと くにゃり とくずれます。動いたからこれは生き物だなと思った食いしん坊のルルが、ぺろんと飲み込んでみると……さあ大変！
いつもは恐ろしい声で吠えて狩りをするルルなのに、いざ声を出すとルルのノドから出るのは、まるで子猫のようなニイ…という鳴き声（ ! ）。
からかわれ、ぺしゃんこにしょげてしまったルルが、お腹をすかせてすっかり引き蘢ってしまっていると、そこへ子うさぎがやってきて…☆

アフリカの森、ライオン…そこに突然のあめだまの出現と、意表を突いたつながりで、インパクトのあるお話です。
かわいらしいお話なのですが、深く考え出すと、世の中に蔓延している思い込みによる差別や偏見を乗り越えるためのヒントも感じとれるような、深いメッセージのある寓話とも読めるのかなと思います。

特殊な状況で、あり得ない間柄に生まれ育まれる友情というのは、よく物語のモチーフとして見かけますが、やっぱり心のどこか深いところがじーんと感動に包まれますね.:*・゜

今江祥智さん独特の言葉の表現も、もういちいちかわいらしく心掴まれますので、どうぞお楽しみに。
もちろん、味のあるペン画を基調に、シンプルなフォルムと鮮やかな色彩で描かれた和田誠さんのイラストも、かわいらしい！まゆ毛の効果でしょうか（ ! ）、ルルの豊かな表情にも、どうぞご注目くださいね…☆