食と暮らしの古本屋 eclipse plus

小学校低学年くらいでしょうか、ひでお君という男の子がお正月から春夏秋冬１年に渡り、日々体験したことを、右ページに文章、左ページに絵と、絵日記風に紹介した絵本です。

詩人である永瀬清子さんによる文章は、時に叙情的に、また感性豊かに描かれ、子ども独特の視点が新鮮な彩りを与えています。

堀内誠一さんによる絵は、水彩、ペン、パステルとさまざまな画材を駆使して、１ページ１ページ文章の内容に合わせる感じで描かれていて、多彩な画風が楽しめるようになっています。
迷いのない線でざっくりと描かれたものもあれば、パステルで柔らかく表情がつけられ心象風景が伝わってくる様なものもあったり…まるで、１日１日が全く別の日のように感じられた生き生きとした子どもの頃の世界の在り方を追体験できるようです♪

もしかしたら平成生まれの子どもたちは、生まれる前から失ってしまっているかもしれない…そんな風景がページを辿るごとに目の前に現れる絵本。
昭和生まれの‘もと子どもたち’の郷愁を誘うような、懐かしく温かな記憶に結びついた豊かな感情が漂う１册となっていますよ。