食と暮らしの古本屋 eclipse plus

東京での最初の展覧会を1961年に開催してからのち、日本とも縁の深い、オーストリアの現代芸術家フリーデンスライヒ・フンデルトワッサー氏の回顧展の図録です。

紹介されているのは、初期のドローイング、水彩、油彩をはじめ、様々な技法を組み合わせたミクストメディア作品、リトグラフやシルクスクリーンなどグラフィック作品、エッチングやアクアチント、日本木版画に至るまで、“多様かつ独特な技法を用いて”描かれた絵画作品はもちろんのこと、タペストリーや凧などのオブジェ、そして、フンデルトワッサーハウスに代表される建築家としての活躍ぶり etc...

自然を師とする氏の作品は、“一本の木が長い年月をかけて年輪を増やしていくように”、丹念に色を重ねて創られていくとのこと。
“直線に神は宿らず”という氏のことば（「直筆アフォリズム」をご参照下さい）が顕わすように、渦巻きや雨滴など自然の事象をモチーフとした作品たちは、力強いパワーに溢れています。

多数の日本初公開を含む約80点の作品を通して、また、ことばや写真、インタビューを交えながら、氏の世界観に迫った充実の内容となっていますよ。

なお、こちらの図録はハードカバー仕立てとなっていて、章によってページの紙質が変えられアースカラーが用いられているなど、随所に意匠が凝らされたこだわりの造本となっているのも嬉しいところ！どうぞお楽しみに…☆

• 目次
  • フンデルトワッサーのパワー　ピエール・レスタニー（フランス語の原文あり）
  • 直筆アフォリズム　フンデルトワッサー
  • 図版／Plates
  • 転換　フンデルトワッサー（英語の原文あり）
  • フンデルトワッサーとのインタビュー　インタビュアー：ヨーラム・ハレル（英語の原文あり）
  • フンデルトワッサー年譜（英語の原文あり）

• 展覧会の巡回　伊勢丹美術館（新宿）⇒美術館「えき」KYOTO⇒佐倉市立美術館