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ただいま流通中です >2018年7月現在
玲風書房
2006 / 24×19 / 224p
ソフトカバー
[ 商品番号 N゜ef2-6-2 ]
長谷川潔氏は、1891年横浜に生まれ生涯の大半をフランスに暮らした、国際的にも評価の高い銅版画家です。
長らく日本よりむしろフランスでの評価が高かったとのことですが、1991年には、氏の偉業を本格的に紹介した展覧会「生誕100年記念展 長谷川潔の世界」が生誕の地でもある横浜美術館で催され、好評を博したとのこと!
こちらの展覧会「銅版画家 長谷川潔 作品のひみつ」は、その後さらに氏の作品のコレクションを充実させた同美術館が、氏の没後25年を記念して再び企画した、大規模な回顧展となります。
長谷川潔氏の特筆すべき偉業として、17世紀にさかのぼるマニエール・ノワール技法(=メゾチント技法)の研究と再興、そして、アクアチントによる白いレースの表現などが挙げられますが、氏は、他にもさまざまな版画技法を習得・刷新することにより、“自然の摂理あるいは宇宙の神秘”を追求しました。
この展覧会では“「創作版画」のさきがけとなった初期の白黒の木版画から、エングレーヴィング、ドライポイント、メゾチントなどさまざまな銅版画技法を展開した渡仏後の精緻な作品、そしてメゾチント技法を極限まで駆使した晩年の静謐で神秘的な作品に至るまで”を、時代順ではなく、氏が生涯に渡って追い続けた4つのテーマごとに拝見できます。
さらに、関連する素描や下絵なども供覧されていて、作品が、着想から推敲、そして完成に至るまでの課程を具体的にたどり、あたかも氏の創作プロセスに立ち会っているかのように、わくわくする気持ちで、“「作品のひみつ」を作者と共有する場”となるように企図されています。
「序」の文章中に、氏の作品世界を可能にしたのは“清澄な感受性、不可視な内奥まで見抜こうとする鋭い観察力、沈黙のなかに時間を凝固させる強靱な精神力”…という文章がありますが、吸い込まれそうな深みを称えた氏の作品は神秘的で美しく、眺めていると心が澄んでいくように落ち着きます.:*・゜
なお、こちらの展覧会は、「横浜美術館まるごと全部長谷川潔」と銘打って関連イベントが充実していたりと、展覧会自体もとても気持ちの込もった素晴らしい場でしたが、また、こちらの図録も素晴らしい出来映えとなっています。美術館学芸員の猿渡紀代子さん、そして沼田英子さんによる文章は、どちらもとてもよくまとめられていて作品の理解を深めてくれますし、図版ももちろん美しく充実!
あと特筆すべきは、こちらの図録は展覧会図録には珍しく、一般に流通しています☆″このような配慮も、嬉しいかぎりですね!
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「カフェエイト」さん *著
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