南桂子 追悼展 「鳥と樹と少女 銅版詩の世界」
ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
2005初版・2006.2版 / 27×21 / 23p
ソフトカバー
[ 商品番号 N゜ef2-6-1 ]
銅版画家 南桂子さんが 2004年12月に亡くなられてから後、初めての追悼展の図録… 南さんの夫でもある銅版画家 浜口陽三さんゆかりの「ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション」にて展観されました。
南桂子さんの画は、なんともいえない静謐と詩情に満ち、少女や鳥、羊、犬、魚、蝶々、樹々、花々 etc... 生けとし生けるものたちが優しく寄り添っていたり、ただ存在していたりします。
意匠が凝らされた外国のお城やお家、教会、そして船もたびたび登場し、子どもの頃に読んだ 遥か遠い異郷の童話を想わせるような作風には、甘いノスタルジーと、大人になって失われたイノセンスが感じられ、胸がきゅっと締めつけられるよう.:*・゜
こちらの追悼展では、銅版画の技法を学ばれた フランスのフリードランデル版画工房で制作された初期作品の他、1957年に ニューヨーク近代美術館のクリスマスカードになった作品「羊飼いの少女」、58年に ユニセフのグリーティングカードに選ばれた作品「平和の木」、66年にユニセフのカレンダーになった作品「子供と花束と犬」など代表作を含む銅版画約60点、また、点描ドローイング作品、水彩、ペン画、油彩なども約30点収められています。
また、「作家の横顔」として、南桂子さん作の童話やエッセイの断片、朝吹登水子さんが南さんを語ったエッセイの抜粋なども愉しめますよ♪
“結局仕事が私にとっていちばん重要で、私の人生の土台になっていると思うの。私の願いは、精神的にも肉体的にも、一切の煩悩を捨てて仕事だけに生きること、あらゆる欲望を断ち切ることなの。でもそこまで徹底できるかどうか”
…生前、こんな言葉を遺されていらっしゃった南桂子さん、
お仕事に対する ストイックな姿勢を映したような、白いシンプルな、でも、上質で温かみのある紙が使われていることから優しさも感じられるような装幀もとても素敵な1册となっています。
どうぞご堪能ください.:*・゜
- 目次
- ごあいさつ
- 図版
- 初期作品
- カラーエッチング
- 紙版・モノタイプ
- 水彩
- ペン画
- 油彩
- 作家の横顔
- 「健ちゃんとカエル」(童話) / 南桂子
- 「目に浮かぶ雪景色」(エッセイ) / 南桂子
- 「版画家 南桂子」(エッセイ) / 朝吹登水子
- 南桂子年譜
- 出品リスト
- 展覧会の巡回 ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション