ベルギー象徴派展
東京新聞
1982-1983 / 27×24 / 147p
ソフトカバー
[ 商品番号 N゜ef2-5-5 ]
19世紀末、フランスの近代詩人ボードレール氏の唱えた“万物照応(コレスポンダンス)”という考え方に影響を受け、ヨーロッパ各地で展開された象徴主義の芸術運動は、ベルギーにおいても、“北欧的精神を背景とした神秘と幻想、沈黙と孤独のイマージュを通じて、超自然的世界を暗示するベルギー象徴派”となって、大きな成果を収めました。
こちらは、“ウィールツにはじまり、クノップフ、デルヴィルをへて、デルヴォーに至る”ベルギー象徴派の主要作品を辿り、その系譜を追った展覧会「ベルギー象徴派展」の図録です。
カタログ部分は、画家ごとにまとめられ、それぞれの画家の紹介とその作品の図版・解説文が楽しめます。
紹介されている画家たちは… アントワーヌ・ウィールツ、フェリシアン・ロップス、シャルル・ヴァン=デル=スタッペン、グザヴィエ・メルリ、ジュリアン・ディレンス、エミール・ファブリ、レオン・フレデリック、フェルナン・クノップフ、アルマン・ラッサンフォッス、コンスタン・モンタルド、アルベール・チャンベルラーニ、ジョルジュ・レメン、ウィリアム・ドゥグーヴ=ド=ヌンク、エミール・ベルクマンス、ジャン・デルヴィル、アルチュール・クラコ、ジョルジュ・ルブラン、ポール・デルヴォー(敬称略)の18名。
配置のスペースの関係上からか図版が頻繁に前後していて、解説文と併せて読み辛いところや、解説文も全図版に詳しい感じでは添えられていないところが残念ですが、油絵の大作はもちろん、デッサン、パステル画、彫刻と、121点から成る充実した図版となっています。
他、“二十人会”や“薔薇十字会”など関連事項や人名の解説、また、主要な作品の図版がモノクロながら31点参照できる年表なども添えられていますよ!
- 目次
- あいさつ 安達健二, 加藤巳一郎(フランス語訳あり)
- メッセージ フィリップ・ムロー(フランス語の原文あり)
- 「象徴主義の理解のために」 穴沢一夫
- 「象徴主義と沈黙の諸形式」 フィリップ・ロベール=ジョーンズ(フランス語の原文あり)
- 「仮面劇―クノップフ, 三島そしてナルシシスム」 フランス・ベンデルス(フランス語の原文あり)
- カタログ カトリーヌ・ド・クロエス(東京国立近代美術館*翻訳・加筆)
- 「反復と差異」 本江邦夫
- 関連事項・人名解説
- 対比年表
- 主要文献(フランスの文献のみ)
- 展覧会の巡回
- 東京国立近代美術館⇒兵庫県立近代美術館⇒北海道立近代美術館