ラファエル前派とオックスフォード
アート・ライフ
1987 / 27×24 / 167p
ソフトカバー
[ 商品番号 N゜ef2-5-4 ]
ラファエル前派は、19世紀半ばのヴィクトリア朝時代に、ロイヤル・アカデミーによって築かれてきたアカデミックで型にはまったイギリス美術の傾向を批判し、新しい芸術の世界を、ラファエロ以前の初期イタリア・ルネッサンス時代に求めた芸術運動です。
こちらは、ロンドンに始まり、やがて“中世の夢を追って”拠点を移したオックスフォードで華やかに開花した、ラファエル前派の芸術運動をさまざまな切り口で辿り、全体像に迫った展覧会「ラファエル前派とオックスフォード」展の図録です。
全体の構成は、テーマごとに7つのセクションから成っています。
大学の風景が描かれた作品や、ラファエル前派グループの芸術家たちが互いに描き合った肖像画などを紹介した「学問の街と芸術家たち」。
中世とルネッサンスの文学作品または宗教に主題を求めた絵画作品や、大学内のステンドグラスを紹介した「初期のラファエル前派:中世と宗教の復活」。
当時の人々の理想とした道徳的な行動や生活、また、自然が描かれた絵画作品を紹介した「生活と自然をみつめて」。
ラファエル前派芸術に強い影響を与え、また最初にその芸術を公的に擁護したジョン・ラスキン氏が、地質学や建築・植物や自然への興味から描き遺したスケッチなどを紹介した「ラファエル前派の擁護者, ジョン・ラスキン」。
後に“オックスフォード運動”へと発展する宗教論争を受け、ジョージ・エドマンド・ストリート氏やウィリアム・バターフィールド氏などの建築家が手掛けた教会礼拝具や大学建築の素描などを紹介した「オックスフォードの建築と装飾美術」。
ウィリアム・モリス氏がバーン・ジョーンズ氏と共に手掛けた書籍やタピストリー・ステンドグラスなどを紹介した「ウィリアム・モリス」。
19世紀の終わりに生まれた象徴主義や、ウォルター・ペイター氏が唱えた唯美主義、A・C・スウィンバーン氏の支持した快楽主義などに影響を受けた絵画作品などを紹介した「後期のラファエル前派」。
他、オックスフォード市街図や、作家略伝、年表、参考文献など。
紹介されている画家たちは… フォード・マドックス・ブラウン、ウィリアム・ホルマン・ハント、チャールズ・オールストン・コリンズ、ジョン・エヴァレット・ミレー、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、マリー・スパルタリ・スティルマン、シメオン・ソロモン、フレデリック・レイトン、エドワード・コリー・バーン=ジョーンズ、アーサー・ヒューズ、フィリップ・ハーモジェニズ・カルデロン、ジョン・ラスキン、ジョーゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー、ウィリアム・ヘンリー・ハント、フレデリック・サンドス、ウィリアム・ベル・スコット、ウォルター・クレイン、チャールズ・フェアファクス・マーリー etc...(敬称略)。
- 目次
- あいさつ
- メッセージ(英語の原文あり)
- ラファエル前派の芸術におけるオックスフォードの役割 デイヴィッド・B・ブラウン(英語の原文あり)
- 楽園の芸術家たち ヴィクトリア時代のイギリス美術 友部直
- 図版(105点)
- 学問の街と芸術家たち
- 初期のラファエル前派:中世と宗教の復活
- 生活と自然をみつめて
- ラファエル前派の擁護者, ジョン・ラスキン
- オックスフォードの建築と装飾美術
- ウィリアム・モリス
- 後期のラファエル前派
- 地図(オックスフォード市街図)
- カタログ(図版の説明、英語の原文あり)
- 作家略伝
- 年表(ラファエル前派関連年表)
- 参考文献
- 展覧会の巡回
- 新宿・伊勢丹美術館⇒滋賀県立近代美術館⇒梅田・大丸ミュージアム