わにのワーウィック

わにのワーウィック

アンダー=ホディア *文
トミー=アンゲラー *絵
平賀悦子 *訳
水野プロ *装丁
講談社 / 世界の絵本*アメリカ
昭和47年2月初版 / 29×23 / 32p
ハードカバー
[ 商品番号 N゜ef15-2 ]

sorry... sold out

表紙にお目見えのベオウルフと、その甥のクロムウェルは、“おとなしい、よいわに”たち。仲良く平和に暮らしています。

ある日のこと、退屈しきっていた2匹のもとに、スコットランドから、いとこのワーウィックが遊びに来るという知らせが舞い込んで、2匹は大喜び!ほんとうに退屈していて、珍しい話や、世界一美味しいと聞くスコットランド名産の“ワニスキー”に思いを馳せていたところだったので、喜びもひとしおです。

ご馳走を用意し、大歓迎で迎えたところ、ワーウィックは挨拶もせずに、荷物を渡して開口一番、「気をつけてくれ。ワニスキーのびんが、三本はいっているからな。」期待はしていたものの、なんて素敵なおみやげ!!
…と喜んだのも束の間☆
なんと、やって来たワーウィックは、手のつけられないほど性格が悪いわがまま者!2匹は退屈がっていたことを忘れるほど、ふりまわされる羽目になってしまって…。

原題は『WARWICK'S 3 BOTTLES』。
ワーウィックが持ってきた3本のワニスキーが、お話を通じてキーとなっていて、またラストでは楽しい落ちともなっているのですが…それにしても、ワニスキーって(笑)。原文では、どうなっているのか気になるところですが、この訳に限らず全体を通して、ユーモア溢れる活き活きとした文章が、とっても楽しく、笑いどころが満載☆

さらに、絵を手掛けているのはトミー・アンゲラー氏です♪氏自ら“わたしが、このお話にいちばんふさわしい画家です”と志願されたそうですが、ほんとうに、ちょっとブラック…でもユーモアたっぷりのこのお話にぴったり☆
このお話には、ワニ以外の動物たちもたくさん登場し、事あるごとに、ワーウィックに食べられそうになるのですが、獲物を狙うワーウィックの表情と、普段の目つきの悪さは必見です!

勧善懲悪っぽい下りもありますし、ドタバタで、とにかく面白いので、お子さんにも楽しんでいただけるかと思いますが…でもやっぱり、ラストの落ちも含めて、こちらはぜひ(ウイスキーを愛する)大人の方に、 ウイスキーを傾けながら読んでいただきたいなあと思います。

そもそもお話創りの発端が、作曲家さんの趣味(余技?)~なんて豆知識を仕入れてしまうと、その思いもひとしお!オトナの遊び心を感じます。
しかも、子どもの為のお話と言いつつ、モチーフはお酒…お話には、チェリー=ソーダも登場しますし、きっと作者は、無類のお酒好きだとお見受けしました☆

同志の方々、とってもいい味を出しているワニ達の表情を肴に、ぜひお楽しみくださいね。

Information

出版社品切れ または絶版 となっています >2018年6月現在

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