食と暮らしの古本屋 eclipse plus

おかあさん　いってらっしゃい。
あやは　おるすばんする。
きょうは　おとうさん　いるもの。

お母さんはお買い物、ちいさなあやちゃんは、お父さんとお留守番です。
早速、“おとうさん あそぼう。いっしょに あそぼう。”とせがみますが、お父さんは“だめだめ、てがみを かいてから。”と相手にしてくれません。

“ずるい ずるい。あそばないなら、あや、ねこになっちゃう。” …おこったあやちゃんは、猫の真似をして、手紙をひっかいたり、足に噛み付いたり（ ! ）。

“あいたたっ、こりゃ ほんとに ねこだ。あやねこだ。” お父さんが面白がって ほーら と放った紙のボールでじゃれついていた‘あやねこ’、
でも、“やっぱり あやねこ ひとりじゃ つまらない。”
すると、“おおねこだぞ。にゃーごー にゃー”と、お父さんがやってきて！

…なんてかわいくてあったかいお話！！
どこにでもありそうでいて、とっても特別な日常が、征矢清さんの文章でやさしく切り取られています。

また、和田誠さんの絵がかわいらしくて♪
お父さんとあやちゃんがじゃれたり、ごろんごろーんとしている時のくっついている感じが、ほんとうにぴたっとしていて、眺めているだけで安心で幸せ～な気分になってきます。
当時、ちいさな２人のお子さんのお父さんだった和田誠さんの、日々の温もりの実感が伝わってくるよう.:*・゜

本の装幀も、全体的にとてもやさしい雰囲気で、見返しはあたたかなクリーム色、また、文字の色が絵の輪郭線と同じ柔らかい茶色で印刷されているのも素敵な１册です♪