食と暮らしの古本屋 eclipse plus

幻想的だったり、美しかったり、かわいらしかったり、コミカルだったり…
大島弓子さんのイラストと詩*23篇が楽しめる詩画集、白泉社チェリッシュブックの１册です。

「薔薇の花が咲く前に」（『アポストロフィＳ』所収）など、既にコミック作品の方でおなじみの詩があったりもしますが、それ以外はほとんど書き下ろしではないでしょうか♪

ちなみに、‘白泉社の本 NEWS'77 NO1’という本の折り込み広告で、こちらの本は下記のように紹介されています。
“過ぎ去った日々へ、もどることは赦されないのか…。真実は、美は、詩は、幻想のように移ろい行くものの中にこそある。愛しきかな！”
…さすがプロ、そしてこういうコピーが書けてしまった時代というのも、なんとも面映ゆくてすごいですね！

ご紹介したい詩ということになりますと、たくさんなので、ここでは一風趣向を変えて、これまたなんというか大島弓子さん！な「あとがき」をご紹介したいと思います。とっても素敵なので.:*・゜

• あとがき　大島弓子
  • 　今こうしているのは　タイムマシンで自分の今に旅行しているんだ
  • なんて思うことがよくあるの
  • するともうたまらなく今を確保したくなるんだけど………
  • 　そんな思いを日記で読みかえすと
  • 一ページの四分の一　読んでみれば数秒の
  • いわば　幻想のように通りすぎるできごとにすぎない
  • ―――だから六十年生きた記録を読むときだって
  • ＬＰ一枚聴くくらいの時間でおわるかもしれないのよね
  • 一生はやっぱり短いのだから
  • 思いのたけ　生きてみようね
  • 　なんてえらそうに言って　さようなら

エピグラフもかわいらしいので、どうぞお楽しみに♪

上の朱色の書影が函、左の書影が本体となっています♪
詩集らしく、手になじむ感じが素敵な創りの本です。