食と暮らしの古本屋 eclipse plus

「D-BROS」デザイナー渡邉良重さんがカレンダーのために描いた絵からインスピレーションを受け、内田也哉子さんが紡ぎだした物語に、さらに‘重ね絵’の魔法がかけられて届けられた絵本です:*・゜

本を開いてまず驚くのは、ページが全てトレーシングペーパーのような薄くて繊細な紙で造本されていること。
ページをめくるたびに、薄ら透けて見える絵や言葉が、重なって、繊細な模様になったり、映像的に次の展開を予感させたり…とても美しくて幻想的:*・゜
電子書籍では味わうことのできない紙の本の魅力や可能性に圧倒されます！

丁寧に描かれた絵は、ペンと色鉛筆でしょうか…線は硬質だけれど何故かやわらかく温かみがあって、デザイン性が高く繊細で、たくさんの美しい色が使われています。一方で、中ほどにあるモノクロームのページもまた美しくて、モノクロームの華やかさを改めて感じさせてくれるよう:*・゜

大事なことを忘れてしまったような不安を抱く時、心が負のエネルギーでゆらゆらと揺れてしまう時、なにかが欠乏しているような気がしてなにかを掴もうと手探りで歩いているような気分の時、ぜひこの絵本を開いてみてください。
きっと、“今”が満たされていること、希望に繋がっていることに気付かせてくれます:*・゜

• そっと　右手でおさえると
• ここに　あった
• わたしのブローチ
• この先も道は　はるか遠くつづく
• 足りないことを数えすぎて
• 満ちているいまを　忘れてしまわないように
• 小さな祈りを　胸にかざる