食と暮らしの古本屋 eclipse plus

フランスにおいて最もこだわりを持つパン職人の１人として知られ 日本にもファンが多いエリック・カイザー氏の貴重なレシピと共に、パン博士になれそうな充実の文章（ ! ）…パン職人と食通の建築家、そして歴史家というユニークな３名のコラボレーションによって上梓された、まさに“１００％パン”を味わい尽くせる本格的で贅沢な１册です。

まずは、エリック・カイザー氏の挨拶と、氏の盟友アラン・デュカス氏の序文に続き、パンについてのお勉強！
「歴史の中のパン」「象徴としてのパン」「世界のパン巡り」「パンと五感」「パンの現在」として、パンの起源、古代のパン、フランスの歴史の中に観るパン（パンの産業化、白パンvs.黒パン、パンをめぐる戦い etc...）、宗教とパン、命の糧としてのパン、世界のパン巡り、パンと視覚・嗅覚・触覚・聴覚・味覚をめぐるお話、おいしいパンの見分け方、パンと栄養、製粉業者とパン職人の戦い、グループ「麦からパンへ」の紹介などなど盛りだくさん！他、シャルル・バリエ氏、レイモン・カルヴェル氏、リオネル・ポワラーヌ氏など美味しいパンの研究に尽力した諸氏の紹介や、もちろん、パン職人エリック・カイザー氏の歩みとその活躍の紹介もあります。

教科書のような感じでかなり読みごたえのある文章で、パンがモチーフとなった名画やポスター・写真、美術工芸品や、パン作りの道具などパンにまつわる豊富な図版も目を愉しませてくれますので、どうぞお楽しみに♪

また、「戦場のパンと配給のパン」「粉屋とパン屋の守護聖人、聖オノレ」「サンドイッチの歴史」などコラムも充実！（巻末には、「さらに詳しく知りたい方のために」として文中で引用された参考文献一覧（フランスの原書/邦訳含む）、図版のクレジットもあります）

そしていよいよ「発酵パンの作り方」として、小麦粉や空気中に存在する“野生酵母”から起こす「ルヴァン・リキッド」と生イーストを用いるエリック・カイザー氏のパン作りについて基本が紹介され、レシピへと移ります。

レシピは、シンプルながら、その材料へのこだわりと見るからに美味しそうな創作のバリエーションに興味津津！
きっと初めて出逢う素材の取り合わせの妙を愉しんでいただくことができると想います。美味しいいただき方やアドバイスも添えられていますよ♪

下記では、レシピが紹介されているパンをほんの一例ですが、ご紹介していきますね（なお、60レシピ中11レシピは、作ったパンを使ったお惣菜パンになっています）。

• けしの実のバゲット
• バゲット モンジュ
• ブリオッシュ
• ガッシュ
• 石臼挽きのトゥルト
• 海藻パン
• プルーンパン
• オニオンパン
• ベーコンパン
• いちじくとフェンネルのパン
• オレンジピールのナヴェット
• ペポかぼちゃとカレーのパン
• くるみパン
• ターメリックパン
• りんごとシードルのパン
• オリーブのフーガス
• ポルトガル風 とうもろこしパン
• イタリア風 ピアディーナ
• にんにくのオイル漬けとピーマンのフォカッチャ
• トマトの厚焼きピザ
• ほたて貝柱のタルティーヌ
• チーズ入りピサラディエール
• 洋なしのクロック　etc...