食と暮らしの古本屋 eclipse plus

ロンドン郊外に在住の大澤麻衣さんが、イギリス各地に佇む50の小さな教会を巡り、紹介してくれた１冊です。

教会は、「小さな教会」「サクソン教会」「ノルマン教会」「中世の壁画が残る教会」「チャーチアートと珍しい教会」「水辺の教会」とカテゴリー分けされていて、その歴史はもちろん、教会の辿ってきた数奇な運命や、教会を修復し守り続けてきた人々のエピソード etc... 読みごたえのある文で紹介されています。

建築だけでなく教会が佇む風景もまた素晴らしい写真、そして、水彩で描かれた挿絵も人の手による温かさを添えていて、小さな教会の魅力をより一層引き出してくれています。

シャガールが全てのステンドグラスを手掛けた教会や、ウィリアム・モリスによって息を吹き返した中世の教会、第二次世界大戦中にイタリア人捕虜によって建てられた教会、詩人ジョン・ベッチェマンが愛し眠る教会、アラビアのロレンスのモデルであるトマス・エドワード・ロレンスの彫像が置かれた教会、イングランド最小の教会なども紹介されていますよ（敬称略）。

また、「旅の楽しみ」として、パブリックパス/地図/鍵/原点をさぐる/ベルの音をテーマにしたコラムも愉しめる他、
巻末には、本文で触れられている主な出来事を参照できる「イギリス史略年表」や「宗教改革以前の建築様式」「石材について」「教会に関する用語」も参照できます♪

宗教改革や戦争、ロンドン大火 etc... 時の試練を生き延びた小さな教会とその歴史に想いを馳せて…
どうぞご堪能ください.:*・゜