ひらがな暦 三六六日の絵ことば歳時記

ひらがな暦 三六六日の絵ことば歳時記

おーなり由子 *著
おーなり由子 * 秦好史郎 *装幀
新潮社
2006 初版・2008.6刷 / 21×15.5 / 457p
ソフトカバー
[ 商品番号 N゜kf55-3 ]

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1日1ページ、366日、それぞれの日々にぴったりのエッセイが、詩人のような感性と優しいまなざしで綴られた、おーなり由子さんによる“絵ことば歳時記”です♪

6年をかけて書きおろされたという贅沢な御本で、旬の美味しいもののお話や簡単なレシピ、季節を告げてくれる草花や鳥、昆虫、星座のお話、昭和を過ごした幼いころ、青春の懐かしい思い出話、好きなことや感動したことのお話、年中行事や地方の風習・お祭り etc... おーなりさんの暮らしの愉しみや心の豊かさをおすそ分けしてもらえるような読み心地.:*・゜

また、やわらかい鉛筆でしょうか、かすれぐあいがやさしい線描のイラストがページを彩っていて、眺めていると穏やかな気持ちになります。和紙のような触り心地の良い紙でつくられたカバーなど、和の装幀も素敵.:*・゜

続けて読んでしまいたい気持ちを抑えながら、1ページ1ページ、楽しみにしながら読んでいきたくなるような1册です♪

巻末には、倉嶋厚さんによる旧暦と新暦、二十四節気、雑節についての解説や、行事一覧、索引も!
どうぞご堪能ください.:*・゜

The key to the treasure is the treasure

 心が暗くなるようなニュースに、自分の生きている場所が、とても、いいものだとは思えない時、自分自身にも嫌気がさしてしまう時――。季節の変わり目の大風や、いつも通る道の植物に、わたしは何度も救われました。たくさん笑ったり喜んだりするために、この世界に生まれてきたのだと思いたいから、かなしみに敏感になりすぎないように、と、思う。そして、幸福に鈍感にならないように、と、心する――。

 数年前、父親が、あとしばらくの命だと聞いた時、窓の外の七月の葉っぱが、突然、透けるようにひかって、一枚ずつが立ちあがって見えて、驚きました。もう、この生いしげる緑の季節を一緒に見ることは、できないんだよ――と、葉っぱが、言うようでした。
 もしも――
 今日一日かぎりで、この世界のすべてにさようならを言わなければならないとしたら、なんでもないと思いこんでいる日常は、もったいないぐらい新鮮で、いとおしい。
 寒い日に、息が、しろくなることも。夏のゆうがたのにおいも。
 流れる水の、まるくなったひかりも。それをさわるときの不思議さも。
 月がのぼることも。太陽が明るいことも。
 美しいものは、やまほど。
 きりなく。
 あたらしい朝は、毎日生まれてきて、あたらしい風は、一瞬ごとにふいている――。

あとがきの文章より♪

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