修道院の台所から ベジタリアン料理と食のアンソロジー

修道院の台所から ベジタリアン料理と食のアンソロジー

エリーズ・ボウルディング *著
平野威馬雄 *訳
和田誠 *表紙装画
ダニエル・マーシャル *中扉
K2 野村高志 *装丁
文化出版局 / ライティ・ブックス
昭和60年5月初版 / 18.5×13 / 175p
ソフトカバー
[ 商品番号 N゜kf40-s-1 ]

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社会学者で平和運動家としても知られるエリーズ・ボウルディングさんが、度々ご縁を育まれていた修道院内で“いと深き祈りの「こころ」で供される”おいしくて簡素な食事に心打たれたことから、一般の方に向け、修道院の食卓を彩るお料理を紹介してくれたユニークなレシピブックです♪

冬から春にかけて四季を辿りながら紹介されたレシピは、タイトルにベジタリアン料理とありますが、肉食のみを避けたもので、魚や卵、乳製品なども使われています。
アメリカだけでなく、フランスやイタリアの修道士、修道女の方からもレシピが寄せられていて、キリスト教のお祝いにちなんだお料理やお菓子も♪

また、こちらの御本をユニークで素敵なものとしているのが、レシピと共に味わえるさまざまな書物からの引用とイラスト!
聖書はもちろん、世界各国のことわざや格言、文学や詩、聖者の言葉、ミサ祈祷書や祈祷文、讃美歌、古いクリスマスキャロルや子どもたちの食前の祈り etc... 多岐に渡って、食するということについて、人生について、想い巡らす豊かさに満ちています♪

引用は例えば…
シモーヌ・ヴェイユ、エミリー・ディキンソン、アッシジの聖フランシスコ、マルチン・ルター、バルザック、マザーグース、ルイス・キャロル、ウィリアム・ブレイク、アインシュタイン、ユング、レオナルド・ダ・ヴィンチ、シェイクスピア、ワーズワース、ビートン夫人、T.S.エリオット、ヴィクトル・ユーゴ―、ゲーテ、ナポレオン、ディケンズ、マルセル・プルースト、ポール・セザンヌ、サンテグジュペリ、ポール・ヴァレリー、ニーチェ、マザー・テレサ、サミュエル・バトラー、ロバート・ブラウニング、ジョン・キーツ、ブリア・サヴァラン、ボードレール、アンドレ・ジイド、A.A.ミルン、オスカー・ワイルド、ジェイムス・サーバー etc...盛りだくさん!(敬称略)

訳者は、フランス文学者で詩人の平野威馬雄さんで、平野レミさんのお父様ですが、恐らくそのご縁で、旦那さまの和田誠さんが素敵な装画を寄せてらっしゃるかと想います♪

簡素だけれど、神様と共に在る豊かな食卓を想いながら…
どうぞご堪能ください.:*・゜

    • ひよこ豆のスープ
    • ヨーロッパ風冬のスープ
    • ポテトと赤キャベツのサラダ
    • 野菜カレー
    • 切り身魚のイタリア風
    • ヴィクター修道士のレンズ豆のスフレ
    • ベネディクト風オレンジライス
    • オートミール・コロッケ
    • コーンミール・マッシュ
    • ふわふわチーズ・トースト
    • 昔風ポテト・パンケーキ
    • モラセス入りアップル・ケーキ
    • チャーターハウス・プディング
    • バタースコッチ・プディング
    • クリスマス・ライスプディング
    • 公現祭のケーキ
    • クリスマス・ブレッド
    • クリスト・シュトーレン
    • 修道士のモラセス入りおいしい飲みもの  etc...
    • ミネストローネ
    • トマトの卵詰め
    • ベークト・トマト
    • 野菜とヌードルのキャセロール
    • りんごのバターライス添え
    • お祭りのラザーニャ
    • フィリング入りのクレープ
    • ロール・フィッシュ
    • 魚の切り身のハーブ風味
    • かたくなったパンのキャセロール
    • チーズ・スフレ
    • 菜食主義者のクロック・ムッシュー
    • 全粒パン
    • レーズン・ケーキ
    • マントネ風マフィン
    • ペンテコステのケーキ
    • ペンテコステのクリーム
    • イースター・ブレッド
    • イースター・スパイス・リング  etc...
    • クレソンとマッシュルームとちしゃのサラダ
    • ビーツ入りグリーン・サラダ
    • 野菜とチーズのキャセロール
    • 卵のイタリア風
    • 果物風味のオートミール
    • ルパ・コンプレ(完全なる食事?)
    • マッシュルーム・クリームのせトースト
    • コーン・スカロップ
    • にんじんの修道院風
    • ツナのスペイン風
    • 魚のトマト詰め
    • 卵のコロッケ
    • ほうれん草のクレープ
    • アップル・タピオカ
    • 林檎浴(アップル・バス)
    • ぽろぽろりんご
    • アップル・ロール
    • ヨーグルト・ケーキ
    • バターなし 牛乳なし 卵なしのケーキ
    • ヴィアニー・バンズ  etc...
    • 魚のチャウダー
    • ガーデン・カッテージチーズ
    • ウッドチャック
    • スパイスをきかせた米と野菜のキャセロール
    • 貧乏人のすきやき
    • レンズ豆のインド風カレー
    • ツナローフ
    • たらのコロッケ
    • なすのオムレツ
    • ローマ風ニョッキ
    • キッシュ・ロレーヌ
    • オートミール・パンケーキ
    • ライスプディング
    • パンプキン・ペアソース・プディング
    • クイック・モカ・クッキー
    • クイック・アップル・ケーキ
    • ハニー・アップルソース・ケーキ
    • スプーン・ブレッド
    • バスク風鮭のタルト
    • くりかぼちゃのサヴォリー  etc...

The key to the treasure is the treasure

 修道院の食卓は、供せられる最小限の栄養の中にやどる、無限の摂理を、身をもって体験する正念場である。
 ヘロドトスから、現代にいたる間のすべての歴史の書をあけてみると、食卓において構想され準備されなかった重大事件というものは、いまだ嘗てなかったことがわかるだろう。
 マルチン・ルターの宗教改革も、修道院の簡素な食卓から生まれている。
 ここに訳出した『修道院の台所から』の一巻におさめられた、いろいろな料理は、植物をフルに生かした手ぎわよき節振舞いである。
 トマト、キャベツ、パセリ、コーン、マッシュルーム、人参、オニオン、卵、豆類……修道士たちは、神の摂理が、たくまずそのままにつたえてくれる、程よきカロリーと栄養素を、野のものから、ごく淡々とピックアップして、お祈りの書き割(デコール)にした。
 修道院の食卓は、パンとぶどう酒にやどるキリストの血と肉の祭壇である。

巻末の訳者によるあとがきより…

Information

出版社品切れ または絶版 となっています >2018年12月現在

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