食と暮らしの古本屋 eclipse plus

女の子が、初めて自分でつくったパンを食べようとしていると、傍で見ていたキツネに言葉巧みにパンを取られてしまいます。

おいしそうなパンにかぶりついたキツネ！ところが、パンは石のように固くて食べられません。
それでも、どうにかしてパンを食べたいキツネは、象さん、亀さん、豚さんに手伝ってもらって、パンに手を加えますが、パンは大きくなったものの、全然味がしなくなってしまって…！

ちいさな普通のパンが、手を加えるうちに、どんどんふくらんでものすごく大きくなっていくのが面白いです♪
最後は、手助けしてもらった動物たちだけでなく、他の動物たちもやってきて、みんながお腹いっぱいパンを食べることができるくらい大きくなるのですが、味がしなくなってしまったパンをどのようにして美味しくいただいたのか…それは、絵本を開いてからのお楽しみ♪

キツネに言葉巧みにパンを取られた女の子が、マイナスなことをそのままマイナスに受け取らず、プラスな面を受け取って、最後はみんなを幸せにするところがとても素敵です！
ズルいキツネも、食い意地は張っていますが本当はそんなに悪いキツネではなくて…人も物事も、いつもいろいろな面から見て、良いところを見つけていけば、もっと楽しい毎日になるのかも…そんなふうに思わせてくれます。

心温まる楽しいお話を彩るのは、山田詩子さんご自身によるとってもかわいくてキュートなイラスト！

イラストといえば…表紙で、みんなが集まって美味しそうな普通のパンを食べています。女の子のパン作りがその後、上達したのかもしれませんね！（2008年の新装版は、イラストが異なっているようです）
どうぞご堪能ください！