少女への手紙

少女への手紙

ルイス・キャロル *作
高橋康也・迪 *訳
新書館
1978.11 初版 / 21×16 / 204p
ハードカバー
[ 商品番号 N゜ef5-8 ]

sorry... sold out

98721通!…この驚くべき数字は、なんと、ルイス・キャロルことチャールズ・ラトウィジ・ドジソン氏が、生涯に書いた手紙の総数☆
その膨大な数の手紙の中にはもちろん、キャロル氏が、その存在を愛し、楽しませることを至上の喜びとした少女友達への手紙が含まれます。

たった1人の少女を喜ばせるために、即興のお話だった「 Alice 」を手描きの本にまでしたキャロル氏…少女友達へ宛てた手紙は、そんな氏ならではの、ただ、少女を楽しませたいという気持ちに溢れています。
とはいっても、キャロル氏は別に犠牲を払っていた訳ではなく、まず自身が、手紙を書くことを心から楽しんでいたことは、文面から軽やかに伝わってきます。文通をしていた少女の数は多いのに、いえ、多かったからこそ( ! )、一通一通の手紙には新鮮な遊び心がいっぱい!
読み進めるのが、楽しみでならない1册となっています。

この本に収められた70数通の手紙は、イヴリン・M・ハッチ女史*編『ルイス・キャロルの少女たちへの手紙抜粋』より、さらに選び抜かれたもので、年代順、少女別に楽しむことができます。
また、文通相手の少女達の写真や、簡単なプロフィール、キャロル氏とのエピソードが添えられている注も、詳しくて嬉しいところ!ビジュアル的に凝った手紙は、手紙のコピーも掲載されています♪

手紙の楽しさについては、とにかくご覧になってみてください!という感じなのですが、例えば、ショートストーリー仕立てだったり、妖精が書いたという設定になっていたり(ものすごく小さな筆跡で書かれています!)、ペンネームのルイス・キャロルを友人として登場させてみたり、ゲーム感覚だったり(文字絵手紙や鏡文字、後ろの単語から順に読む手紙、中心に向かって渦巻き状に書かれた手紙など)…!
文面は、‘飴と鞭’的で( ! )、読み手の心を掴んで離さないような、生き生きとした親密感があります。

残念ながら、少女からキャロル氏に宛てた手紙を読むことはできませんが、キャロル氏が少女に宛てた‘返事’から、そのかわいらしさが伺えます。
もう大きくなってしまったから、キャロル氏は自分のことを好きじゃなくなったのではないかと質問したり、架空の“お友達”をでっちあげて、その子にも手紙を書いてあげてと、更なる手紙をねだったり( ! )。そんな手紙たちを、氏がどれだけ嬉しく愛おしく思ったかについては、どうぞこの本所収の‘返事’をご覧くださいね♪

高橋夫妻による、キュートな訳も素敵!また「あとがき」も、とても読みごたえがありお薦めです。特に、1通1通の手紙をフィルムの駒になぞらえたイメージが素晴らしくて、切ない余韻を残します…☆

Information

2014年11月に、平凡社ライブラリーより、新装版が上梓され、ただいま流通中です >2018年6月現在

電子書籍化もされています

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