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出版社品切れ または絶版 となっています >2018年6月現在
DOUGLAS R. NICKEL *著
San Francisco Museum of Modern Art
Yale University Press,New Haven and London
2002 / 29×26 / 172p
ハードカバー
[ 商品番号 N゜ef5-6 ]
2002年、サンフランシスコ現代美術館( SFMOMA )を皮切りに、米国各地を巡回した企画展「 DREAMING IN PICTURES 」の展覧会カタログ本です。
写真家としてのルイス・キャロル氏に、挑発的に、真摯に迫った展覧会だったことが、前半に収められた SFMOMA のキューレーター* ダグラス・R・ニッケル氏による文章から、感じられます。
後半ではもちろん、キャロル氏撮影の写真が楽しめる構成☆(ページ数でいいますと、半分位が写真です! )
「キャロル氏と写真」を語る時、どうしても好奇の目にさらされるのが、少女を写した一連の写真たち。
ニッケル氏の文章は、挑発的にも、ロリータ・コンプレックスという言葉を生み出した小説「ロリータ」の作者で、「Alice 」をロシア語に翻訳もしているナボコフ氏とキャロル氏の類似点を指摘することから始まります。
そして、キャロル氏の写真への没頭ぶりが生涯を辿る形で紹介され、そもそもどのような経緯で、キャロル氏=ロリータ・コンプレックスを抱いていたという一般的なイメージが定着していったのかを、キャロル氏没後の研究をクロニクルに追うことで明らかにしていきます。
Alice を捧げられた少女アリス・リデル一家との断絶など、スキャンダラスな話題にも踏み込みながら、論調は、キャロル氏の周辺、そしてヴィクトリア朝の文化的社会的背景へと進み、やがて少女(子ども)の存在が神聖視されていた歴史的環境という観点に辿り着きます。キーワードは、“innocence ”でしょうか。ラストに至る流れは、感動すら覚える美しい文章です.:*・゜
なお、この本は、写真を眺めるだけでも、とってもお薦めです!
キャロル氏が用いていた写真術では、硝酸銀を使用したことから、温かみのあるセピアトーンの仕上がりが楽しめたとのことですが、こちらは、そのプリントの色合いを心ゆくまで味わえるんです♪
また、厚手の上質紙に印刷されているので、感光板についた傷までもが観てとれる鮮明な図版となっています。
少女の写真が中心のセレクションになっているのも、大きな特徴でしょうか♪また、文中でも、同時代の写真家の作品など、図版が充実しているのは、展覧会図録の嬉しいところですね!
どうぞお楽しみに…☆
出版社品切れ または絶版 となっています >2018年6月現在
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