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出版社品切れ または絶版 となっています >2018年6月現在
Lisa Bassett *著
LOTHROP, LEE & SHEPARD BOOKS NY
1987 / 28×22 / 118p
ハードカバー
[ 商品番号 N゜ef5-4 ]
『不思議の国のアリス』の作者ルイス・キャロル氏、本名 C・L・ドジソン氏の生涯を、とりわけ、氏が楽しんで時間を注いだ ちいさな友人達(child-friends)との交遊のエピソードを中心に辿り、優しい視点で捉え直した評伝です。
例え、自分が “むかで”でも、指で数えられないくらい居るよ、と冗談めかして語ったことがある位、たくさんのちいさな友人達と交遊のあったドジソン氏。
出逢った子ども達とは、手紙をやりとりし、時に散歩やお茶、観劇へ招待したり、写真を撮ったり…♪
本文中には、深まっていく友情の中で交わされたユニークな手紙と、子ども達が後に記した回想録が随所に織りまぜられていますが、ドジソン氏の才能と、ユーモアを愛する精神が、子ども達との交遊の中で、いかに伸び伸びと気持ち良さそうに発揮されていたか、そして その才能と精神を、子ども達がどれほど夢中になって享受していたか…まるでその蜜月の様子を追体験するかのように、楽しむことができます。
「 Alice 」のお話が書かれた発端だって、元はと言えば、ちいさな友人であったアリス・リデル嬢へのクリスマス・プレゼント☆
そんな、微笑ましいけれど、せちがない現代では ちょっとにわかに信じられないようなエピソードも、例えば、子ども達への手紙の中でも とりわけユニークで目を惹くショート・ストーリー仕立ての手紙を読むと、ちいさな友人を喜ばせたいという、ただそれだけが目的の行為が、ドジソン氏にとっては、大きな楽しみ・喜びであったということがひしひしと伝わってきます。
写真やドローイング、詩や言葉遊びなど、教職の傍らどこにそんな時間があったのかと不思議なくらい多趣味であったドジソン氏ですが、それらの趣味がまた、子ども達を楽しませる上で、重要な役割を担っていたことも伺え、興味深いです!
ちいさな友人達との関わりにおいてはまた、ドジソン氏が、ヴィクトリア調時代の聖職者であったという事実も見逃せません。
ストイックな精神が尊ばれ、子どもの存在が神聖視されていた社会的な状況、さらに自ら牧師館で多くの姉妹たちと育ったその幸せな子ども時代の記憶は、ちいさな友人達との絶えまない交遊の中に安らぎを見い出す背景となっていたのでしょう。
子ども向け聖書や、少女向けのシェークスピア劇選集を編みたいと願っていたなどというエピソードを読むと、それが実現に至らなかったことが残念です!
ラストでは、晩年にかけての、ちいさな友人達(そして、大きくなった友人達)とのお付き合いについて、 また、ドジソン氏を偲んで、ちいさな友人であった少女が社会に呼び掛けた 子ども病院への寄付のエピソードなども紹介されています。
この本に対して、やや hagiography (聖人扱いした伝記)めいている…という印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、ドジソン氏の核心に迫ったテーマの選び方も興味深いですし、装幀も美しく、読みごたえのある1册となっています♪
時計の針を友情になぞらえたエピグラフも気が効いていますし、各章の初めに紹介されている「Alice」の物語からの引用や、 ラストのページを飾るカットに至るまで、いろいろと趣向が凝らされていますので、どうぞお楽しみに!
本文中で紹介されているなぞなぞやパズルも、楽しめるようになっていますので、どうぞ挑戦してみてくださいね♪
出版社品切れ または絶版 となっています >2018年6月現在
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『VEGE BOOK 3』から…ゴールデンデリシャスと赤ワインのジェラートを作ってみました♪